土とつながりが重なってできるアースバッグハウス

今僕がアースバッグハウスをつくる理由

こんにちは、タネノチカラの金子ですー。

開催まで1カ月を切った
2棟目のアースバッグハウス建築ワークショップ。

今回は、なぜ今僕が、東京でのサラリーマン生活を辞めて、淡路島でアースバッグハウスをみんなで創ろうとしているのか。

そんな経緯を書けたらと思います。

僕がアースバッグハウスを知ったのは、2017年、社会人4年目の秋です。

SDGsが社会でそこまで取り上げられていない頃、持続可能な社会ってどんな社会なのかと考える中で、原発の是非は置いといたとしても、僕たちが当たり前に生きる為には、「衣食住がないと生きていけない」事は間違いないなと思いました。

その中で、衣食住全てに関わるタネの問題を知り、この問題を解決する為には、タネに関連する会社や事業だけの問題ではない事に気づきました。

不自然な人工的なタネは、同時に土を消費します。(農薬と化学肥料がセットになる為)

土を消費するということは、
将来的に衣食住が作れなくなっていくということです。

東京にいると、あたりまえにコンクリートに囲まれて生きられているので、
土が無ければ、「衣食住が無くなる」なんて考えたこともありませんでしたが、ITの進歩によるシンギュラリティで人間どうなるか問題より、
なんとなくそれは、自分にとってより重要な事実な気がしました。

「自分の家や服、食べ物が何から出来ているか。」
「誰がどこで作っているのか。」
「私がそれを買うことによって、何が起きるのか。」

社会人になって、こんな事はほとんど考えたこともありませんでしたが、
それは私たちにとって、知らなくても良い話なのでしょうか。

服を日本だけで作って着ようと思ったら、
100人中3人分の服しかありません(衣服国産率3%)。

靴に関しても、多くはゴムが使用されていますが、
天然ゴムは100%輸入に頼っています。

日本の食料自給率は、37%(平成30年度)ですが、
その37%の99.8%は農薬と化学肥料を使用した慣行農法で作られています。

農薬と化学肥料を使うことを否定はしませんが、
農薬と化学肥料の自給率は、原材料で言えば、ほぼ100%輸入に頼っています。
農薬と化学肥料が無ければ、生産が保証されない99.8%の農業の上に成り立った私たちの食料自給率は、本当は何%なのでしょうか。

住む家を作るには、木材が必要ですが、
日本の国土の2/3は森林にも関わらず、木材自給率は36.1%です。

自分の生活の土台になっているはずの「衣食住」が、
これだけ海外のどこかに依存した日本なのに、
何なら、食料自給率が低いことも、地球が温暖化していることも、
少子高齢化していることも、中学の頃から知っていても、
自分事にならなかったのは、なんでなんだろうと不思議に思っていました。

そこで思いついたのは、無ければ生きられない衣食住のストーリーが、
自分自身に、全く繋がっていなかったから自分事にならなかったんだと思いました。

情報が多すぎて良く分からない話や、
科学的に証明できない話も多々ある中で、
「本当に大切なこと」とは何なのか?
「本当に大切な衣食住」って何なのか?
自分はなんで生きているのか?

社会の大きな話や哲学的な話を抜きにしても、
生きるのがただただ気持ちの良い社会が作りたいと考えた時に、
アースバッグハウスを創ることは、多くの「大切なこと」が凝縮している気がしました。

自分に価値が感じられない人が多くいる社会の中で(これからもっと増える可能性がある中で)、自分がいるからこそ社会が豊かになると感じられる体験が出来たら、あらゆる物事が自分事になり、生きることに積極的になれるのではないかと思い、衣食住の体感型ワークショップや研修事業を始めようと思いました。

その土地にある”土と人の力”だけで作ることができるアースバッグハウス。

常に何かが欠乏して、渇いた感覚のある現代社会に対して、アースバッグハウスは、次の時代の“あり方”を示してくれている気がしています。

知らないうちに染みついた現代の「あたりまえ」を見つめ直し、安心して子どもを育める“持続可能な社会”をつくりたい。 全く性質の異なる、都会にいた4名が淡路島に移住し、共感者と共に「食と健康」をテーマにしたプロジェクト(#seedbedプロジェクト)を始動。