感情のラベリングの話

 さて。
 自分が抱く感情というものに正しく名前を付けられる人間はどれ程いるのでしょうか。


 子どもというものは、時に「羨ましい」という感情を、「ズルい」と表現します。対象の子どもはたまたま好きな玩具を一番にゲットできただけだというのに、まるで自分が害を被ったように、「ズルい!」と怒るのです。


 もちろん、保育士ないし幼稚園教諭、教師はそこで子どもが抱いた感情に当てはまる名前を伝えます。「羨ましいんだよね。」「いいなって思ったんだよね。」と。きっとそうして、子どもは「ズルい」という名前から「羨ましい」という言葉に名前を変えていくのです。


 では、大人はどうでしょうか。
 大人は、大人になるまでにたくさんの感情を経験してきました。「嬉しい」「悲しい」「怒り」「憎しみ」「喜び」という基礎的な感情から、「きゅんとする」「虚しい」「懐かしい」という成長するにつれて知る感情の名前もありました。


 では、「モヤモヤする」という感情はどういう状態なのでしょう。


 きっとこれは、分類できなかった感情の総称なのではないだろうかと私は思っています。
 本当は喜ばなければならないことがわかっているのに素直に喜べない気持ちだとか。めちゃくちゃムカつくけど、そうは思いたくない気持ちだとか。
 そう言ったものを「モヤモヤ」と私は表現しているのだと思います。大人になればなるほど、感情の名前を教えてくれる人なんていません。いたらいいのに。苦しまないのにと思っても、教えてはもらえないものだと痛感してしまっています。それに、その内容を伝えることも憚れてしまうのです。


 世の中には、感情について研究している偉い人はたくさんいるのだと思います。それでも、自分の中に発生した感情というのは、自分だけのものなので「多分こんな感情だ。」という大雑把な分類に分けて名前を付けて誤魔化しているんでしょう。なんだか、冒頭の子どもの話と矛盾しますね。


 その感情に名前を付けてやれれば、ストレスマネジメントができるのだと言います。これは頭のよろしくない私が見つけたネットの記事です。

参考:アイシンク株式会社様の記事


 人間もどきとして生きていて、色んな感情を味わってきたつもりではあります。それでも、まだ知らない感情があり、その度に狼狽えたり、モヤモヤしたり、受け入れられなかったりしてしまうのです。そのときは、自分の感情を否定せず受け入れてやり、名前を付けてやることで40%くらいはその感情を認めてやろうと思います。


 何故、こんな話をしたのかは自分が新しい感情を知ったからです。どんな気持ちだったのかは言わないでおきます。少なくとも、あまり良くないものではあるのは確かです。


 さて、自分の感情に正しい名前を付けられる人間はどれ程いるのでしょうか。という最初の文章の答えは、私にはわかりません。そういうのは、専門家の人におまかせです。


 ただ、自分だけのそれっぽい名前を付けてあげることはできると思うので、そうやって自分の感情をコントロールする術を学び続け、自分の感情を無視しないで生きたいと思っています。


 お風呂に入らなきゃいけないけど、めんどくさいという感情を早速無視して寝る支度をしようと思います。

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