不登校の子を持つサイボウズ社員に話を聞いてみた②
シリーズ「不登校の子を持つサイボウズ社員に話を聞いてみた」第2弾。引き続き、サイボウズ社員で「ワクワクする子どもの学び場をつくろう」プロジェクトメンバーである、田中那奈さんのインタビューです。不登校のお子さんを抱えるお母さんとして、その経験談を語っていただいています。
前回の記事はこちら。
2年前、突如「学校に行きたくない」と打ち明けた小学１年生の娘と、試行錯誤の末「学校に行かない」選択をとります。今回はその選択に至るまでの経緯と当時の葛藤を話してもらいました。（聞き手：社長室・山本賀保子）
“無理やり”は、親もつらい
『学校に行きたくない』と涙を流して訴える姿が辛かったと振り返る那奈さん。なだめながら、なんとか学校に連れて行くことを続けていましたが、そうするうちに、那奈さん自身にも疲れが溜まっていきました。
「毎日説得したんですけど、全く改善する気配がなくて。しんどくて1週間で限界でした。その時は夏休みが目前だったので休ませたんですけど、夏休みが開けても結局変わりませんでした。」
「ここで何も考えずに『いいよ、休もうよ』ではいけないかな、このまま行けなくなっちゃうのかな？と思っていたんですが、とにかく辛そう。すごく頑張り屋な子なので、そういう子を泣かせてまで学校に連れていく行為が私自身、精神的にしんどかったです。
もうひとつ辛かったのが、”何で学校に行きたくないのか”っていうのが全然分からなかったことです。原因が分かれば対応もわかるし、取り除いてあげられるかもと思ったんですけど、全然答えてくれなくて。
学校の先生も、何故その子が来られなくなったかは、あんまりわかってない感じでした。どう動いていいか分からなかったのがしんどかったですね。」
もどかしい毎日を過ごしていた那奈さん。学校に行きたくない理由が分かったのは、その後しばらく経ってからのことでした。
「おそらくですけど、先生との相性が悪かったみたいです。学校に行かなくなった後、お友達と話しているときに『学校の先生がこわかった』って言っているのを聞いて『お！もしかしてこういうことだったのかな？』って。理由がわかるまでは半年から１年かかりましたが、その間はかなりモヤモヤしました。」
行かせる？行かせない？ー。何が正解かは、分からない
対応策が練れない、これからどうすればいいのかも分からないー。いろんな人に相談してアドバイスをもらったものの、悩みがスッキリと晴れることはなかったと言います。
「まわりのお友達のママとかは『みんな行きたくない時期がある、最初に休ませちゃうと本当に行けなくなるから、泣いてでも連れてけば大丈夫』『連れていった方がいい』って言ってくれる。一方で、ネットを見ると『その子の気持ちを考えて行かせるのはやめました』みたいなのもある。
スクールカウンセラーの方にも会ってみたら『親子関係に問題があるから、交換日記的なことをしたらいい』みたいなことを言われたんですが、それはピンときませんでした。
子どもは『学校行かなくて良い』ってなったら、すごく元気なんです。夏休みは友達と一緒に遊んで楽しんでいたので『学校さえなければ楽しいんだな〜、人生』と思うこともありましたね。」
本当に望むものは？ “行きたくない”から見えた答え
毎日様子を見ながら考えを巡らせる中で、那奈さんの中に、今まで考えてこなかった一つの疑問が浮かんできました。
「私自身もその時に『学校って何で行くものなんだろう』って自分の中で改めて考えたんです。『行きたくない』って言われて初めて『子どもにとって“学校に通う”って何なんだろう』とか、『どんなことを今の時期にやっておいたらいいんだろう』とか。
私にとっても、この子がどんな状態だったら理想なんだろうと考えました。
多分色々あると思うんですけど、私は本当に『子ども自身が生きてることを幸せに感じられる状態である』ことと、『健康である』ことくらいです。この子が楽しく生きられることが一番重要じゃないかなって思ったんですよね。
だから本人が楽しめる範囲でやれることをやってみたらいい、子どもが『行きたくない』って言うんだったら、一回やめてもいいかなと思い、学校に行かせるのをやめました。『じゃあ休もうか、“行かない”ってしようか』となった感じですね。」
悩み抜いて、行かない選択に舵を切った那奈さん。この次は《学校に行かない間、どのように過ごすか》を考えることになります。
自宅学習がどのように始まって、どんなことが行われたのか、詳しく教えてもらいました。
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