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#30わたしのおくすり

私は猫と暮らしている。保護猫なので種類は不明。ミックスだと思う。
1人は術後翌月にまさしくご縁があって私の娘になってくれた。気が小さくて、食が細くて、綺麗好きでそれでいて身体が丈夫。

もう1人はさらにその翌年に。こちらもご縁をいただき私の長男になってくれた。甘え上手で、大食いで、細かいことは気にしない、季節の変わり目には必ず身体を壊す。

自他ともに認める親バカだ。
2人に共通しているのは、化粧水が好きなこと。お風呂上がりに化粧水を塗って横になろうものなら飛んできて顔や手を永遠にぺろぺろ。鼻のてっぺんは皮が剥けそうなほどぺろぺろする。もちろん舐めるものではないので早々に御遠慮いただく。

ナーーーと文句が始まるのだ。そのうち忘れて遊び始める。

2人は本物の兄弟ではない。でも姉は弟を気遣い、弟は全力で姉に甘える。
姉は不器用で上手に甘えられない。弟は上手に隙間を見つけて甘えてくる。

流産後1年半ほど笑えなかった。誰からも笑うなと言われた訳じゃないのに自分でそれを課していた。悲しさが許してくれなかった。心に冷たい芯みたいなのがあっていくら温めても温めても、温かくはならなかった。

でも彼らに触れている時だけは温かかった。ジワーっと少しづつ暖かくなっていつも触れていたい。

2人のおかげで1年半で済んだ。2人のおかげで重症化しなくて済んだ。2人のおかげで誰かを憎んだり嫌いにならなくて済んだ。

私は彼らを【匹】とは呼ばない。さん付けと君付けで呼ぶ。実母は孫として扱ってくれる。

私の孫にちゅーる買って来たよ🎶
とか普通に言う。さすが私の母。

彼らがいない生活をもう想像できない。1泊以上の旅行は出来ないけど、1泊中も家の中のカメラを随時チェックしている。2人の性格が違いすぎて連れて旅行に行けないのが残念。

あぁ、そろそろ2人目の移植の薬が始まる。気持ちが荒れる。そういう時はどこにも行かないで彼らとずっと一緒にいたい。わたしのおくすり

いつまでもずっと一緒にいたい。元気でいて欲しい。愛している。

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