【LINEコラム】60歳前後もメンタル危機に!『定年うつ』を乗り切るコツ(2023.03.27配信)
こんにちは。
健康を損なわず成果を出す人や組織づくりを考え伴走するライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。
突然ですが、あなたは『自分の定年』って考えたことありますか?
何歳まで働くのか。
何歳まではどんな働き方をするのか。
何歳までどんな仕事をしていたいのか。
未来に向けてキャリアを考えることは数多くあると思いますが、一定の年齢に差し掛かってくると『終わり』についても考える必要があると私は思います。
25年前に亡くなった私の父は、そこそこな企業のそこそこな地位の役職についていましたが、40代に入ってから
とは母にこぼしていたそうです。
今でこそ『リスキリング&早期退職→独立』や『FIRE』など早くに勤め先をやめて次の働き方・暮らし方を考える考え方が広まりつつありますが、25年前当時はまだまだ年功序列の定年万歳型。そんな世の中に生きた父ですら、自分の社会人としての晩年の在り方を考えていました。
また、60歳を過ぎると年金の問題も浮上してきます。
ここ数年社会保障制度が変わったこともあり、現在絶賛年金受給中の母曰く、「なかなか世知辛い」とのこと。
当初想定していた年金のもらい方から大きく変わってしまったことで、自分の働き方と暮らし方についても考えながら今も趣味と兼用で仕事を楽しんでいます。
そんな今週のコラムは
【 定年うつを乗り切るコツ 】
について紹介していこうと思います。
『定年=60歳』と思っていた時代は過去のもの。
60歳以降はセカンドライフとして、仕事・自立した生活・健康はとり一層欠かせない三要素になります。
企業・職種によって定年の年齢は多少異なりますが、会社勤めの方であれば大体が60~65歳あたりが定年になるのでしょうか。そこを過ぎてくると定年後の再雇用を活用して残籍したとしても『今までと同じ働き方』ができなくなってしまう人も増えてきます。
逆に、私が保有する『柔道整復師』は国家資格であり、更新制ではないため一度取得し独立・開業した後は、『死んだ・失踪した・もういいや(自主返納)』とならない限りその仕事がなくなることはありません。裏を返せば『死ぬまで』できます。
こうした独立士業・専門開業職系の人たちは、ある意味定年はなく『一生食いっぱぐれない』というのはあるものの、心身の衰えから気力が衰えてきたり、身体の不調が全面的に出やすくなって仕事に精を出すことも難しくなってきます。最悪の場合、癌と闘病しながら仕事をする、という事態も起きかねません。
そうした意味でも、『終わり(晩年)』は考えておかなければいけないと私は思っています。
そこでさらに追い打ちをかける問題が、『定年うつ』です。
『定年うつ』は、仕事一筋だった人が定年退職を迎えた途端、急にやることがなくなって自宅に引きこもって暮らす内にうつ病になってしまうというものです。
一定期間慣れた環境下で過ごしてきたものの、ある日を境に全く違う環境へ移行する。それは年齢問わず誰にだってストレスフルな状態は生まれます。しかし、『加齢が進んだ時ほどそのストレスに対する耐性は弱くなる』のです。
身体の機能が低下している分、回復速度は若い方から見るとだいぶ遅いですし、残る引きずるで日中のパフォーマンスも落ちやすい。その上で
「今までのやり方が通じない!」
という精神的なストレスと直面すると気持ちに余裕がなくなり、ちょっとのことでも「人格否定だ」と過敏に反応してしまう方もいるようです。
こう語るのは心理カウンセラーの下園壮太さん。
防衛大学校卒業→陸上自衛隊員という異例の経歴をお持ちの方で、ご執筆された本もあります。
自衛隊を退職される前から心理カウンセラーとして活躍されていた下園さんでさえ、退職から数ヶ月後、57歳の時に突然声が出なくなるという事態に。半年間続いた声の出づらさは身体的な問題というよりは、『自覚のないストレス』が原因だったとご自身で語られています。
どういうストレスだったのか。
それは、『組織の成約からの解放』が原因だったとのことです。
つまり、組織の中で一定の制限(庇護)がある内は『やるべきことが明確にわかっている(それ以外のことはしなくていい)』というのがあります。
しかし、退職後、その制限から解放されると、今度は『すべてのことを自分で決めて行っていく』必要があるということ。
会社勤めをしている間は始業終業の時間がある程度定まっています。出社であれば移動時間も考えると、ある意味会社勤めというのは生活リズムをつくりやすい環境にあるといえます。
しかし、これが無くなってしまうと、朝起きて寝るまでの間の時間の使い方は、いつ・どこで・何に・どれくらいの時間をかけるのか、すべて自己責任になります。
単に仕事のことだけを考えるのではなく、生活自体も一変してしまうことを考えなければいけません。しかも今度は遅刻しても誰にも怒られない。誰かに迷惑をかけることがない分、より時間に対してルーズになりやすい。意識してある程度コントロールしていたとしても、「ちょっとくらい」のゆるみが積もり積もれば結構な山になる。
それが自覚のないストレスになっていたのかもしれません。
うつの治療に対しては専門家でないため専門的なことは言えませんが、比較的広く言われているのが『生活療法』です。要するに、『規則正しい生活を送る』こと。
そうした習慣は、病気になってから始めるのではこれもまたストレスが大きい。日頃からある程度の生活リズムは意識した生活を送ることを心掛けていれば、多少のメンタルブレイクも被害は最小限に留まると思っています。
それには自分の日頃の身体的行動パターン、精神的行動パターンを記録・把握しておくことで対策が練れると思います。
手帳でもアプリでもいいので、自分の1日の過ごし方や物の見方、価値観、感情のコントロールなど、自分のことについて記録してふり返る習慣を今からつくっておくと、より過ごしやすいセカンドライフ・晩年を迎えることができるのではないでしょうか。
今週も最後までお読みくださりありがとうございました!今週のコラム、いかがでしたでしょうか?今日のコラムが少しでもお役に立てできましたら幸いです。今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!
【 参考記事はこちら 】