見出し画像

【LINEコラム】身体の要は『股関節』!股関節の機能を高めて健康長寿になる方法《後編》(2022.3.24配信)

こんにちは!
多角的な視点と根本から治す健康づくりで充実した人生を目指すライフデザイントレーナーの丹後友里です(@tanchan0630)。

もう早いもので、3月もあと1週間になりました。
1年の25%が終わろうとしているんですね。

3月から4月は世間的に年度替わりになります。
自分が勤める会社の期も関係してくるかと思いますが、それでもやっぱり何かと『変わり目』の時期ですので自分を労わりながら過ごしてくださいね。


さて、今週も先週に引き続き『股関節を鍛えて健康長寿な身体をつくる』方法についてお届けしていこうと思います。

先週は股関節の機能について解説させていただきました。
今週はその機能を理解した上でどんなストレッチが良いのかをお届けしていこうと思います。



股関節が硬い方の最大の特徴は『前屈ができない』ことです
皆さんもちょっとやってみてください。現時点でどのくらいの伸び感になりますか?

画像3
画像4

前回のコラムでもお伝えしましたが、『関節の動きは筋肉の柔軟性が関係する』ことを踏まえると、

もも裏にあるハムストリングスの硬さがある
(大腿二頭筋・半膜様筋、半腱様筋)

骨盤を後ろ・下方に引っ張ってしまう

前に倒れたい上半身の動きを阻害する

結果:前屈ができない

という流れになります。
また同時に長時間の座位では身体の使い方次第でさまざまな姿勢の崩れ方が現れ不調を来たす要因になります。

姿勢

猫背は男女共通で年代問わずな座り方ですが、『仙骨座り』は特に長身男性・中高年の男性に多く見られる座り方になります。理由はいろいろある(長身男性の場合は自分の体格とデスクや椅子の高さが合わず必然的にそうなってしまうなど)と思われますが、大半は体幹の筋肉の使われ方に問題があると考えられます。

【 身体を支える体幹の筋肉が弱くなる 】
 ① 腹直筋(肋骨の縁⇔恥骨結合に付着)が縮まる
   → 骨盤前面を上方に引っ張り上げる
   (= 骨盤後面が下方に倒れ込む)

画像5

【 身体を支える体幹の筋肉が弱くなる 】
 ② 腸腰筋が縮まる
 (第12胸椎~第4腰椎⇔小転子:大腿骨頭内側に付着)
  ⇒ 背骨と大腿骨をつなぐ大事な筋肉です
    ここが縮まってしまうと股関節の屈曲も強まる

画像6

【 プラスα編 】
お尻やハムストリングスが体重を受けて長時間圧迫される
 → 単純に硬くなる
 ⇒ 神経や血管も通っているため、
   長時間の座位による圧迫は筋肉だけでなく
   神経障害や血行不良の原因にもなり得ます。

このように、単純に『ハムストリングスが硬い』と言われても見方を変えるとこうした背景も考えられることから、

【 どこか1ヶ所伸ばせばいい 】

ということにはならないんですね。
これを踏まえて股関節の動きを出すためのストレッチやトレーニングについてご紹介していきます。



[1]大腿四頭筋のストレッチ

画像7

「ハムストリングスが硬いんだから、ハムストリングスを先に延ばせばいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、関節の動きは3Dで考えることが基本です。

ハムストリングスが硬くなっている要因が、必ずしもハムストリングスが直接的な原因ではないかもしれないということ。つまり、『何かの働きの不具合によって結果的にハムストリングスが硬くなっている』かもしれないということをまず最初に考えます。

そうすると結果的にハムストリングスを伸ばさなくても伸ばすことができたりするんですね。

ということで、まずは座り姿勢の根本である股関節の屈曲に着目。
それにはまず大腿四頭筋も絡んできます

先ほど紹介した腸腰筋は股関節の屈曲のどの部分で作用するかと言うと、『90度以上』に曲がってから作用するんですね。
ですので、まずベーシックに働いてくれるのは大腿四頭筋なので、四頭筋の硬さがある状態で腸腰筋を先に延ばそうとする上手く伸びないことがあります。(そしてたいてい大腿四頭筋も硬くなっていることがあります)



[2]腸腰筋のストレッチ

content_腸腰筋ストレッチ2

大腿四頭筋の下処理が終わってから、次のステップがこちら。
関節の動き方にはいろんな筋肉の相互作用によって成り立っています。
0~90度までは大腿四頭筋が、90度以上になると腸腰筋が働きます。

しかし、長時間の座位では腹筋群の働きが弱くなってお腹の筋肉が緩みそのまま硬くなってしまうことがありますので、部位的に関連する腸腰筋も伸ばしてあげることで腹筋群(体幹)の力を入れやすくしてあげることが大事です。



[3]腹筋のストレッチ

画像9

ここで腹筋をストレッチ。
何となくイメージがついた方ならおわかりいただけると思いますが、伸ばしている場所が少しずつ上に向かっていることに気づいているでしょうか?

これは筋肉のついている部分を考慮してストレッチをしています。筋肉はいろんな筋肉の相互作用で関節を動かしていますので、ストレッチをする時もなるべく筋肉の場所が近しいところを順番に伸ばしてあげるのも大事かなと思っているからです。

こうして、身体の前側の股関節に関連する筋肉を粗方伸ばし終えたわけですが。



皆さん、ここでちょっと最初の前屈、やってみてください。



この時点でさっきよりも指先が床に近づいていたり、明らかに動きが変わった方は、ハムストリングスの硬さの原因が身体の前面にあったから、ということになります。

もちろんハムストリングス自体も長時間座り姿勢で圧迫を受けていますので、伸ばしてみるとより前屈時の指先の到達度合いが変わるかと思います。その際のストレッチは定番の長座体前屈↓がおすすめです。

ハムストリングスストレッチ(長坐位)

ポイントがいくつかあります。

① 身体を倒す際は真正面に
 ⇒ 片脚ずつやる時はどうしても
   曲げる側の脚を股関節ごと後ろに引き
   傾いた状態で倒してしまうと伸び感が半減
   してしまうので注意が必要です。
   骨盤を正面に向けたまま片方の脚を曲げて
   身体を倒すように!

② 膝は曲げてもいい
 ⇒「伸ばすんだから膝も伸ばすんでしょ!」
   と思いがちですが、
   絶対ではありません。
   むしろ硬い中身体を倒そうとすると
   膝はなかなか伸びにくいです。
   初めは無理せずに曲げたままから始めてOK
   また、伸ばした状態と両方できる方は
  『伸ばされている場所の違い』を感じてみて

   ください。

③ 伸ばしている間は息をすること
 ⇒ 硬い筋肉をしっかり伸ばすには反動をつけず
   ゆっくり時間をかけて伸ばすことが大事

   その際よくやりがちなのが『呼吸を止める』
   ことです。
   筋肉はリラックスしないと伸びていかないので
   ゆっくり深呼吸しながら吐くタイミングで
   ぐぅ~っと伸ばしてあげる
と伸ばしやすくなります。

これらのポイントはこれまで紹介したどのストレッチでもいえることなので、改めてストレッチの時の姿勢も気をつけながらやってみてくださいね。

長座体前屈で物足りないという方はこちらにも挑戦!

content_ジャックナイフストレッチ

① 両足を揃えたまま座り込む
② 両手をくるぶしにあてる
③ ②のままお尻を上に持ち上げて膝を伸ばす
 (頭は下に下げたまま)

そもそも股関節が硬い方は①の体勢になるのが難しいかもしれませんが(笑)、ちょっとステップアップと目標感を持って挑戦してみてください!




今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
少しでも皆さんの健康力向上にお役に立てできましたら幸いです。

コラムの内容について質問・疑問・感想などはトーク画面で絶賛募集中です (*^^*)/
今週も残り良い1週間をお過ごしください!



【 参考 】




ここから先は

305字 / 2画像
専門家の方が提唱されている健康法にまつわる医学構造をわかりやすく解説した上で、日常生活にも活かせるコラムを配信しています。更新は月に4本を予定。

『人生100年時代』を元気で明るい未来にするために!LINE公式アカウントで配信しているコラム(健康管理に必要な医学的知識と共に日常生活に…