見出し画像

【LINEコラム】「病は気から」脳の仕組みを活用して健康づくりの期待効果を高めるコツ(2023.04.3配信)

こんにちは。
健康を損なわず成果を出す人や組織づくりを考え伴走するライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。

あなたはこんな逸話を聞いたことがありますか?
あるお医者さんが癌の患者さんに

「これは、癌を死滅させる特効薬です」

といってコップに入った透明の液体を差し出しました。
その患者さんは半信半疑ながらも、藁をもすがる思いでその薬を手に取り、「これは特効薬だ」と思いながら飲み続けたところ、ある日の診察でがんが無くなったことがわかったそうです。
この透明の液体薬、何だと思いますか?







正体は、『ただの水』です。








これは割とよく聞く『プラシーボ効果(プラセボ効果)』の逸話ですが、ご存知だったでしょうか。ここで着目したいのは『なぜ特効薬と偽って水を飲ませたのか』ということではなく、

ただの水でも『特効薬だと思えば』
がん細胞を死滅させられる人間の生命力

についてです。

そんな今週のコラムは

脳科学がもたらす健康への期待効果 】

について紹介していこうと思います。




 日本には古来からこんな言葉がありますよね。

『病は気から』
病気は気持ち次第で、良くもなれば悪くもなる

これ、私個人としてはすごく実用性がある言葉だと思っています。
実際先ほどの話においても、実際には薬効のない薬剤(本物の薬と同様の外見、味、重さをしているが有効成分は入っていない偽薬)でも本当に効果が表れる『プラセボ効果』はまさに典型的な効果だと思います。ちなみにプラセボとはラテン語で「私は喜ばせる」という意味があるそうです。

このことについて、公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授の篠原菊紀先生は

脳の仕組みでいうとサプリメントなどを飲んで
「朝の目覚めがいい」
「これを飲み始めてから元気になった気がする」
というような“快”を感じているときには、脳において報酬系の活動が高まっています

痛みが和らぐというときにも報酬系のドーパミンが活性化することによって痛みをマスキングしていると考えられています。

2020年に掲載された論文では、プラセボ効果にはドーパミンの他、愛着と関わるオキシトシンやバソプレシンといったホルモンの放出も関わっているのではないかと考察されています

【出典】偽薬でも効果「プラセボ効果」 脳では何が起こっている?

要するに、「あ、これいいかも!」と思う(脳が感知する)と、本来の効果がなくても『効果が出ている』と脳が勘違いを起こして、関係するホルモン(神経伝達物質)を放出し想定外の良い働きを発揮してくれるんですね。

さらに言うと、ホルモンの中でも運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる『ドーパミン』による神経は騙されやすいのだとか。だからこそ、「あ、いいかも!(快の感情)」がプラセボ効果発揮のスイッチになるんですね。

また、特にこのプラセボ効果を発揮しやすい性格があるそうで、それが『協調性がある人』『素直な人』なのだとか。信じやすい(疑う度合いが低い)と、こういう時にでもメリットは出てくるようです。

ですが、この脳の仕組みは良いことばかりに作用するわけではありません。それがプラセボ効果に対して間逆の『ノセボ効果』というものです。


ノセボ効果は、「嫌なことが起こるよ」と言うと本当に起こる、「痛くなるよ」と言われると痛くなる、というもの。ノセボ効果の場合プラセボ効果とは違って『恐怖・怒り・不安』などに関わる『ノルアドレナリン』というホルモンが関わるため、注意する対象への警戒水準が高くなってしまい、嫌なことを拾いやすくなります

篠原先生曰く

高齢者に「加齢とともに認知機能は低下します」という講義を行い、その後に認知機能テストを行うと「再認テスト」の成績が落ちてしまう、と報告されたのです。

「高齢になると認知機能が落ちる」という良くない暗示をかけられことによるものです。

また50代の健康な人を対象に、
年を取ることに否定的な考えを持つ群」
年を取ることに肯定的な考えを持つ群」
で40年間追跡すると、

◎ 否定的な群:心血管障害が起きやすかった
◎ 肯定的な群:否定的な群に比べて
        長生きすることがわかった


という報告もあります。
もちろん、因果関係があるのかどうかはわかっていませんが、この手の報告は多いのです。

とのこと。
つまり、目の前の出来事・これから起こり得るかもしれない未来に対して、『肯定的に捉えるか』『否定的に捉えるか』で訪れる結果は分かれるということです。

これは何も年齢を重ねていった高齢の方にいえることだけではなく、むしろ若い世代の方であっても同じようなことが言えると思います。

変に夢想主義でもダメだし、現実にシビアすぎても辛くなるだけ。大事なのは『ちょうどいい塩梅(いい加減が良い加減)』な心を持つことだと私は思います。

プラセボ効果もノセボ効果も「あると思えばそうなる」ということ。必ずしも「こうだ!!」と言えるわけではありません。

よく仕事やキャリア選択などの場面で、

大事な局面では成功したイメージを持つことが重要

なんて言ったりすることはありませんか?
常に自分の行動やその方向性が良い方向に進んでいることをイメージしていれば良い結果が得られやすくなる、的な。
これってある意味プラセボ効果と同じなんだと思います。

また、記事にはお子さんへの声掛けについても書いてありました。

子供が少しずつ大きくなるにつれてできることが増えていく一方で、ミスをしやすい・失敗することも想定できる状況下において
「ミスするよ、失敗するよ」
心配のあまり注意喚起のつもりで声を掛けていても、子供がミスをしたり失敗したりしてしまいますよね(そして「だから言ったのにー!」と責め立てる)。
これはまさにノセボ効果とも言えるわけです。がんばって全うしようとしていたお子さんからすると、はた迷惑な話にもなりかねません。

そんな時、どうしたらミスをしない・失敗を回避できるのか。篠原先生はこう説明されています。

「こぼすよ、こぼすよ」と言うと本当に零した時の子どもの脳には、「こぼし方」の動作イメージが浮かぶはずです。
だからこそこぼさないように教えたいときには、

こうやるとこぼしちゃうから、こうしようね

修正した動作イメージを伝える方がいいでしょうね。

これから新年度で新しく人を迎え入れるにあたっても、同様だと私は思います。特に新社会人は社会人になって大きく環境が変わっています。

この環境の変化に対して前向きに捉えているか、後ろ向きに捉えているかは本人の気質も関係してきますが、それでも今後50年近く続く社会人生活を少しでも『心地良い気持ちで』過ごしてもらうために、少しでも脳の仕組みを活用して心身をケアしていけると良いのではないか、と私は思います。




今週も最後までお読みくださりありがとうございました!今週のコラム、いかがでしたでしょうか?今日のコラムが少しでもお役に立てできましたら幸いです。今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!



【 参考記事はこちら 】





■ おまけ情報

🌟SNSでの交流も大歓迎です!

◎Twitter:@tanchan0630
◎Instagram:
@tanchan-faciliport
◎LinkedIn:
tanchan0630
note以外のSNSでも発信しています。
つながり申請歓なのでお気軽にフォローしていただけると嬉しいです!

🌟お仕事情報はこちら!

↑↑ 画像のクリックでwebサイトに飛びます! ↑↑

🌟配信済みコラムや登録者限定イベントはLINEで公開中!

↑↑ 画像のクリックで登録ページに飛びます! ↑↑