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【LINEコラム】年を取るとキレやすくなる!脳科学の視点で考える『怒り』をコントロールする方法

こんにちは。
働く人と企業の健康寿命を延ばすライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。

先日、健康経営推進サポートサービス『健やか経営PLUS』をご利用して下さている会社さんが企画してくださったセミナーに登壇しました。

2024年2/4(日)まで販売中!機会がありましたらぜひ

このセミナーでは、巷にある、もしくはこのコラムでも配信したような『知識・情報の解説』ではなく、仕事や私生活があることを前提に『健康』に対する意識の持ち方や不調を改善する時のポイントなどを講義式で伝え、個人ワークにて自分の健康課題と生活スタイルのふり返りを堪能していただきしました。

健康管理って、結局のところ『時間との戦い』だと思うんです。
日々決まった時間にやること(睡眠・仕事)を覗くと、自分のために使える可処分時間ってかなり限られてきますよね。

その中で最大限自分が目標にしていること・趣味やプライベートを満喫しようとすると、どうしても『時間との兼ね合い』が出てきます。そういう意味でも、

・現状の健康課題(不調)
・今後の目標ややりたいこと
・不調の解消
(改善)のためにやるべきこと

これらを踏まえて、改めて健康管理を『1日の過ごし方(生活スタイル)』という観点から考え、『いつ・何を・どうやるのか』を考えてもらうようにしたセミナーとなっています。ご興味ある方はぜひご活用ください!

さて、今週のコラムですが、

負の感情をコントロールする脳の使い方 

を紹介していきます。
メンタルが弱い、感情の起伏が激しい、人間関係が面倒くさいなど、社会活動を続けていく上で欠かせない『人付き合い』の中でも、今回は『負の感情のコントロール』という点をお届けします。

過去に配信したコラムはLINEのメニュー画面右下にある『配信済みコラム一覧リスト』にありますので、配信済みコラムと併せてご活用ください。




突然ですが、若い頃と比べて感情のコントロールってできていますか?

年を重ねるごとに脳の機能は変化していきますが、実はそれに伴って『怒りを抑制できなくなる(=怒りっぽくなる)』というエビデンスがあります

ハーバード大学の研究によると、10歳から69歳までの1万394人を対象に認知機能をテストした際、前頭前野のワーキングメモリはだいたい30歳をピークに年齢とともに落ちていくことが示され、一方で語彙課題に対する能力は高齢になっても上がり続けていました。

ワーキングメモリはその場その場で何かを覚えて対処する』という仕事をしています。脳の前頭前野は額の後ろあたりにあり、記憶や学習・感情・言語などを制御する司令塔の役割をしています。

これを『怒り』に当てはめて考えてみると

「ちょっと自分は怒りそうになってきたぞ」

「まぁいいか、このまま怒っても!!🤬💢」
「待てよ、周囲の状況を判断してみよう🤔」

などと調整する働きがあります。この怒りを調整し抑制する働きが年齢とともに落ちてくるわけです。

しかし、その一方で年齢を重ねても落ち着いている人っていますよね。

これはどういうことかというと、実はこのワーキングメモリの性能・前頭前野の能力は、年齢を重ねると共に個人差が大きくなるのだとか。

なので平均値の話をしてもあまり意味がなく、20歳と変わらず抑制がきく人もいれば、あまり我慢がきかなくなる人もいる、というのが本当のところだそうです。しかも、この『カッとなりやすさなど何かの目標に向かって「行け―!!」となる衝動性は50%の確立で遺伝するとか。

もちろん訓練や意識づけである程度コントロールはできるようになる方法はありますが、最終的に気質として判断するのには『遺伝性もある』という要素を頭の片隅に置いておくのも良いのかもしれません。

では、その上でどうやって怒りの感情をコントロールするのがいいのか。

公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授で脳科学が専門の篠原菊紀さんはこう話します。

怒りに対して無意識化で抑制できるパターンが確立されていない人には『意識を使って抑え込む』というのは上手くいかないケースが多いです。

そういう場合、有効なのが『自分を観察する』こと。

怒りに直結するストレスは一般的には短期的反応です。いわゆるストレス物質といわれるノルアドレナリンやコルチゾールの分泌、海馬(短期記憶に関わる脳の部位)や扁桃体(感情に関わる脳の部位)近辺の働きを経て、自然に収まっていく仕組みがあります

だからこそ、『収まっていくまでちょっと置く』ための『観察』が役に立ちます。

具体的にどこをどう観察するのかと言うと、

◎ 自分の顔や手
◎ 全身の筋肉の動き
◎ 気持ち

がどんなふうに変化するのかを見るそうです。

以前私も、人から理不尽な理由と共に激しい怒りをぶつけられたことがありました。しかしその時はカッとなって言い返そうかと思いましたが、

◎ 静かに鼻で深呼吸する
◎ 目を細めて相手を見据える
      ↓
心臓の辺りがスゥ―っと冷たくなっていくのを感じた
心の中が『無』になった(感情<理性に全振り)
      ↓
◎ 相手の言葉・内容の理解のために聴覚に全集中
  ⇒ 相手の言い分に対する自分の正当性を探索

これらをすると、3分もしない内に相手に何を言われてもへっちゃらで、相手の言い分に対する自分の正当性(相手の理不尽さや不当性)を自覚できたので、相手の言い分すべてに従順になる必要性を感じないどころか、自分の良くなかったこと・今後の反省点を見つけることもできました。

そして、この時思ったんです。
「あ、私って、怒りをぶつけられても平気なんだな」

それからは、相手から感情をぶつけられても変に萎縮することなく、
『それってあなたの感想ですよね。
 正当性を主張するならエビデンスを提示してください』
というようなスタンスでいられるようになりました。笑

つまり、自分で自分の感情をコントロールする術を身につけられたということです。

そういう観点で見ると、当時怒りをぶつけてきた人には自信につながる新しいスキル発見にひと役買ってくれた(しかも今後に活かせそうなポイントも得られた)のだと思うと、当時の出来事もなかなか悪いものではないように思えてきます。

話は逸れましたが、要は、自分が怒りそうになった時に

どういうシチュエーションで怒りそうになり、
その時身体や心はどんな動きをしたのかを
記録する

これをメモ帳や日記・手帳などに書くようにして記録する習慣をつけていくようにしてみましょう。

人間の知能には『結晶性知能』というものがあります。
これは、知識や経験に裏打ちされる知性です。経験の蓄積が結びつき、結晶ができるように伸びていくメタ認知(客観的に物事を捉えること)の力です。

「こういう場合も怒っちゃだめなんだ
(伝え方を工夫しないといけないんだ)」

という経験とノウハウをたくさん学習し蓄積していくことで、年齢を重ねても穏やかで柔軟な精神をもって人生を謳歌することができるはずです。




最後までお読みくださりありがとうございました!
今日のコラムが少しでもお役に立てできましたら幸いです。
次回のコラム配信は【 6/26 (月) 】となります。
今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!



【 参考記事はこちら 】




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