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【映画】わたしはいったい、何と闘っているのか に思う

この映画は今年、2022年の1本目、映画ぞめの記念すべき映画となった。
昨年観ていた映画の予告編で流れていたときから、なんかおもしろそうだなと思っていた。
昨年の12月17日に公開したらしいので、年が開けてからすぐに上映が終わってしまうのではないかと思い、成人の日にちょうど時間があったので観ることにしたのだった。
観てみると、やっぱりおもしろかった。

主人公を演じるのは、TEAM NACS の安田顕さんである。
この人の演技は、中年男役をやらせたら、なんでも上手いと思う。

さて、この主人公はとあるスーパーに勤めている主任の45歳。
平均的には会社で言えば中間管理職になっているであろう年齢だと思うが、なぜか上に上がれない。
冴えないワケではないが、卯建が上がらないポジションである。
まるで自分を見ているようで、エラく共感した。

誰も見てないところで、いろいろと努力しているのに、いろいろと調整しているのに、誰もわかってくれない。
評価されないもどかしさ。こんなに、家族のために、職場のためにがんばってるのに…。
良かれと思ってやることがことごとく裏目っちゃう。
こんな人いるよね。ってか、この人って、俺だ!!
こんなにも没入というか、主人公に共感した映画はいままで無かったかもしれない。

物語の途中でいいタイミングで、川原の食堂に行き、そこでカツカレーを食べる。なんともいえない至福のときだ。
カレー好きにはたまらない画だ。

食堂の婆さんもイイ味というかイイキャラをしている。
さすが、年の功だ。
主人公のカレーの食いっぷりを見て、「大丈夫だ」と言うのが口癖だ。
白川和子さんは、あの日活ロマンポルノ出身!?
なんか不思議なオーラが出ていると思ったよ。

あと、唯一、主人公と血がつながっている息子もイイキャラをしている。
落ち込む父親に向かって、オトナ顔負けの言葉をかける場面にはエラく感心した。

妻役の小池栄子も素晴らしい。
もう奥さん役が板についてきたのではないか。
安心して笑える。

最後にスーパーの店員から言葉を贈られるのだが、それはプロレス界の大御所、長州力の言葉だった。
この言葉も自分の心に深く突き刺さった。
「努力しても報われないヤツもいる。だが、成功しているヤツは努力している。」
シビレたよ。最高だった。感動した。

そんなこんなで笑えて、ちょっぴり泣ける映画であった。
新年から素晴らしい映画と出会えたことに感謝である。

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