見出し画像

【お茶】そのお茶、何の茶、天然のお茶?

昔、新規のお客さんに当店のお茶を試飲して頂いた際にこんなことを言われたことがあります。

「水色がキレイじゃない」
「お茶が全然甘くない」

以前利用していたお茶屋さんのお茶と比べてとのことです。

私は価格に見合った品質のお茶を提供しているつもりでしたので、同価格帯のお茶と比べて水色や味が落ちると言われるのは心外でした。

そして、色々と調べてわかったのが、指摘したお客さんが飲んでいたのは、着色、着味などの添加物入りのお茶だったということ。

私も試しに添加物入りのお茶を飲んでみましたが、甘味はあっても全然自然の甘味じゃない。。
(味の●を飲んでるみたい。。)

お客さんに
「添加物が入っているからキレイで甘いんですよ」
と指摘したら、

なんと、お客さん自身が添加物入りのお茶だと認識していないのです。

買うときにお茶屋さんから何も商品説明を受けていなかったようで、天然のお茶だと思って飲んでいたようです。

添加物入りのお茶を説明せずに販売するのは、お茶屋としていかがなものかと。。

それらを踏まえて伝えたいこと。

「普段飲んでいるお茶が天然のお茶か、
 添加物入りのお茶かを知ってほしい!」

お茶のパッケージ裏の食品表示原材料欄で確認できます。

まずは天然のお茶。

原材料名欄には茶のみ記載されています。

次に添加物入りのお茶。

原材料名欄には緑茶の他に、調味料(アミノ酸等)、重曹、カテキンが記載されています。
「調味料」はうま味成分を出す着味料、「重曹」は鮮やかな緑の水色を出す着色料となります。
「カテキン」は「緑茶」に含まれるカテキンと別に、カテキン成分を添加しているという意味です。

なお、添加物入りの玉露は熱湯玉露と呼ばれることがあります。
天然のお茶は低い温度で淹れるほど甘味が増しますが、熱湯玉露は熱湯でも十分な甘味が出るのです。

ちなみに前回お話ししたペットボトルの緑茶も原材料名欄に必ず「ビタミンC」が記載されています。

これは「L-アスコルビン酸」と言われる人工のビタミンC、酸化防止剤です。

「宵越しのお茶は飲むな」と言われるくらい、お茶は劣化の早い飲み物です。
酸化防止剤を添加することでカテキンの酸化(=お茶の劣化)を防ぐため、ペットボトルの緑茶はドリンクのまま長期間保存することできます。

添加物入りのお茶は、安価で、とても甘いお茶が味わえるという良さがあります。(ペットボトルの緑茶はドリンクのまま保存できる利便性)

美味しいと思って飲むお茶が一番ですので、添加物入りのお茶が好きな方は、飲んで頂いて全然構いません。

ただ、私の想いとしては、お茶農家さんが茶葉本来の風味を活かせるよう、努力して作った天然のお茶を飲んでもらいたいなと思います。

同時に、お茶屋としてお茶という「モノ」を提供するだけでなく、お茶農家さんの努力によって作られたお茶だという「コト」を、お客さんに伝えなければならないと思った出来事でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?