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たなしょくじというコラム書いてます。

ひっそりとしている仕事がありまして、大阪は日本橋のフリーペーパー「pontab(ぽんタブ)」に記事を書いております。ぽんタブは大阪・日本橋を拠点に季刊で発行する、タブロイド判のフリーペーパーです。

日本橋の色んな所においてあるフリーペーパーで日本橋の地図も載っているので大阪の皆様良かったら手にとってください。

僕が書いているのは【たなしょくじ】というご飯コラムみたいな感じで日本橋の地図内の何処かのお店の美味しいご飯のこと。芸人がお金がないなりにお腹一杯幸せに食事してやるぞという孤独のグルメ感満載な記事です。

あえて店名は出さずに日本橋の何処かにあるお店ですよーというクイズ形式、探し出してねという趣向も凝らしておりまして、文中にヒントがちらほらあるので楽しんでもらえたらなんて。挿絵も書いてもらっておりまして可愛いですし美味しそうです。

「私、大阪のフリーペーパーを取りにいくことなんてできないわよ!」という方。

なんと!ぽんタブ様のホームページからPDFで御覧頂けます。(知らんかった。いや、教えてもらっていたのに忘れていた。失態)

紙面が!欲しい!という方は年間購読として通販もしているとの事。数少ないたなしゅうグッズとも言えるのでいかがでしょうか。

第23号からほぼ毎回載っています。季刊で二年ぐらいやらせてもらってます。

↓ぽんタブホームページ。こちらにあるPDFから過去のぽんタブが御覧いただけます。

https://pontab.jp/

↓定期講読はこちら。

https://store.shopping.yahoo.co.jp/pontab/

感想も是非。

折角なので許可をぽんタブさんにも貰ったので転載しておきます。連載三回目、大阪から東京に出る時の記事です。中華料理を後輩と最後に食べに行った時の話。(PDFだと挿絵もみれるね。お得だね。)

たなしょくじ 三食目。


おかわり自由。この世界で唯一自由の名に相応しい存在。その自由を求めて後輩と待ち合わせる。。

中華屋さん独特の外観。やたら豪華で少し入りにくいがこの奥に自由があるのだ。

本格中華が食べられる店にも関わらず、有難いことに色んな定食がある。
いつも僕らは、かに玉定食を頼む。
大きなお皿めいっぱいのかに玉。少しでもお盆を傾ければ甘酢たれがこぼれてしまいそうだ。

「東京いつからですか」後輩は言う。
「来月には。うん。いくよ」僕はザーサイのピリリとした慣れない刺激にあわせて答える。

大阪を離れ東京に活動拠点を移すことになり最後にと、いつものこの店に来た。

揚げ物二つが乗った小鉢。うれしい。後輩が餞別にとその唐揚げをくれる。

「十年大阪でやったけどな。東京で自由にやろうと思っているよ」と中華スープを流し込む。まだかに玉は半分ある。

「おかわりくださーい」「すみませんおかわり自由先月でおわりまして・・・」我々とかに玉が沈黙する。我々を含め街のみんなが自由を求め自由に求めすぎてきたのだろう。仕方ない。

「せっかくやし。最後や。ビールでも飲もうか」かに玉はおかずからつまみにかわる。

壁に沢山のメニュー。聞いたことのない料理も多い。
料理名と写真だけで容赦ないメニュー。それだけでは何かわからないメニューからつまみをあーでもないこーでもないと想像する自由を楽しむ。
追加でホタテフライとビールとカルピスチューハイを注文する。

大きな。一口では食べられないほどのホタテフライ。6個。タルタルソース。ん。そもそもホタテフライとは案外食べたことあるだろうか。

揚げたてのホタテフライはかじると湯気がもわっと上がり旨みが口に広がる。

もう冷めてしまったかに玉はまた違う美味しさで。東京に行くのが惜しくなるほどの居心地の良さの中で大阪で自由に過ごした日々を思い出しながら。ほうばる。申し訳程度の、小さなステンレスの容器に入った定食の杏仁豆腐を一口で流し込む。

「ではまた」
「おうほなまた」大阪最後の夜。