完全無農薬でお米作りをする農家さんを訪問 山梨県南巨摩郡身延へ②
前回に引き続き、山梨県で完全無農薬でお米作りをするTさんの田んぼに訪問させていただいた記事を。
Tさんとは現地待合せをしていて、私と友人の乗る車は一足先に甲斐大島駅に到着しました。
待っている間に現在も田植えをしている田んぼ、現在は稲作が行われていない休眠中の田んぼいずれも見れるので、時間があればご覧くださいとお話しいただいていたので、田んぼを見学することに。
まずは現在も稲作が行われている田んぼから見学。青みがっかった黄緑の稲が美しく生え揃い、漲る生命力を感じられます。後ろには木々に覆われた新緑の山が見え、緑のグラデーションがとても美しい景観です。生育中ということが理由だと思いますが、稲は周囲の他の植物の緑とは違う、若々しい色合いであることが印象的でした。
せっかくなので近くまで歩いていくと、稲作をしている区画に水を流し込む用水路が見えてきました。近くで見ると貯水槽が思ったより大きく、常時水を一定量流し込んでいるのが印象的。
稲作は常に水を流し込み、温度を一定に保つ必要があることから、田んぼの各区画までに水を引き込むため、用水路が地域一体にはりめぐらされていました。
長い年月をかけて構築された用水路だと思いますが、富士川などの水源から各田んぼまでの用水路の構築には、莫大な労力も資金も投入されたものだと感じます。
また、私が住む田無にも用水路はありましたが、今は暗渠になっているため、用水路のある風景に懐かしさを感じます。
水路だけではなく、人や機器の運搬のための農道も必要になるため、稲作ができる環境整備はとても大変なものだということを強く感じました。
周囲には休眠中の田んぼも。せっかく長年かけて整備された水路や農道があるにも係わらず、活用がされていない状態は、とてももったいないと現場を見せてもらうと痛感しました。
農林水産省の統計によると、農業従事者の平均年齢は約67歳になり、若返りが出来ていない状況です。今後この点が早急に解決できなければ、今後10年で急速に農業従業者がいなくなり、日本の農業は壊滅的な状況に陥いることが想定されます。
先述の通り、稲作を行うためには水路の整備も欠かせず、長年かけて構築したインフラが担い手不足によって崩壊してしまうと、日本の稲作の立て直しはとても厳しく現実的ではなくなってしまうと感じました。
近年の夏場の猛暑の厳しさは皆様感じていると思いますが、あまりの酷暑のため稲作が被害を受けています。お米の生産量は落ち、一般消費者向け販売価格も暴騰しています。
私はコロナ禍以降、地元で子供食堂やフードパントリーの活動に参加していたことがありますが、当時はお米の価格が安かったことも影響したのか、お米の寄付の量がとても多かったことが印象的です。
子供食堂に限らず、低所得者層も含めてお米への依存度が高い家計への負担が心配になります。
Tさんは、休眠している田んぼを活用して、子供食堂にお米を寄付できるような仕組みを作ることに取り組み始められており、その行動力に敬意を抱きます。
また、環境や人体への負荷を考慮し、農薬を使用しないで生産することに挑戦されています。田んぼに生えるひえや他の雑草などを手で取り除き、稲にしっかりと栄養がまわるようにしているという話を伺い、気の遠くなるような作業をされているなと驚きました。
今回の訪問は短時間になってしまい、タイトルに反し農薬についてあまり言及できませんでした。自分でも勉強し、今後また訪問した際にお話を伺い記事にできればと思います。
お読みいただきありがとうございました。