興味を引くには「自分ごと化」

僕たちテレビの仕事は
どれだけの視聴者が番組を見たかという視聴率で評価されます。
全国ネットで10%だと
1億3000万人のうち1300万人が見たという計算です。
この影響力を使ってモノを買ってもらうために
スポンサーがCMを流し、テレビ局は広告収入を得ます。
テレビのお客様は誰かというと、
広告費を払うスポンサー企業、
視聴率を作る視聴者、ということになります。

これを言い換えてみると、
スポンサーは「お金」を提供する
視聴者は「時間」を提供する、ということになります。
よく「テレビはタダ」ということを言われますが、
実は視聴者はお金の代わりに「時間」を提供して、
視聴率を生み出し、
その価値にスポンサーがお金を払ってくれているのです。

では、どうやったら視聴者は
テレビに「時間」を費やしてくれるのか。
僕が思うキーワードは「自分ごと化」です。

世の中の情報をリサーチし、企画して
取材・編集し放送するのがテレビですが、
その根幹にあるのが
視聴者が自分のこととして捉えられるかどうか、です。

例えば、「税金」を例にとってみましょう。
国会で法人税が増税になることが決まったというニュースがあっても
ほとんどの人が「ふーん、そうなんだ」とさらっと流すのではないでしょうか。
それは「自分に関係ないなぁ」と思っているからです。

しかし、仮に消費税が20%になるというニュースの場合、
「おいおい!そりゃないだろ!」とほとんどの人が憤りますよね。
消費税が増税されると、実生活にどんなに影響を与えるか、
「自分ごと化」できているからです。

法人税が増税というニュースで、視聴者にどんな影響が出るのか。
例えば、給料が減るのか、会社の福利厚生が悪くなるのか、など
視聴者が自分ごと化できる情報を提供することが
一つのポイントだと思います。

ちなみに視聴者が自分ごとに捉える仕掛けとして
「損する」「得する」というキーワードがあります。
そのままテレビ番組タイトルになるくらい強いキーワードですが、

さて問題。

「得する」と「損する」ではどちらが視聴者の興味を引くことができるか。
正解は「損する」です。
自分にとってプラスになるより、マイナスになるほうが
視聴者は自分ごと化しやすいようです。
あくまでも僕の番組作りの経験からの実感ですがw

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