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まどろむ1匹に満たされる

仕事から帰り、電池切れした私は抜け殻状態でよく横たわっている。

そうすると、無防備に開いた手の中にすっぽりと顔を埋めてくるのは、うちの愛猫ちゃんだ。

一本一本が細くてもふもふの短毛も、一定方向になでるとサラサラとした感触が心地いい。
もう私の手にはよく馴染んだ感触だ。

夢の世界に一歩踏み入れたあたりだが、愛猫が私の手の中で精一杯甘えているのも、また幸せで夢見心地だ。

要望に応えるため、私に残された最後の力で首を掴む様にして撫でると、すぐにゴロゴロと喉を鳴らす音が聞こえてくる。

好きな作家さんの物語によく登場する、「まどろむ」という表現が愛猫にはよく似合う。

電池切れの私は、まどろむ1匹を見て少しの幸せをもらい、1匹は私に撫でられることで幸せそうだ。

私たちは、こうやってお互いに補い合ってできている。

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