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【精神科 初入院②】15歳のM子ちゃんと冬

こんばんは、たななこんぶです。
精神科に初めて入院した時のエピソードその2をご紹介させていただきます。

1. 12月はクリスマス!

初めて精神科病院に入院したのは冬。
その年もきちんとクリスマスはやってきました。

ただ違ったのは、病院でクリスマス(&イヴ)を迎え、患者さんと過ごしたことでした。

この頃、私は15歳のM子ちゃんと一緒に過ごし、M子ちゃんから「クリスマス楽しもう?」と誘われていました。

クリスマスとクリスマスイヴの夜。
私たち2人は「クリパ(クリスマスパーティー)」という名の、お菓子を食べる会を開きました。

用意したのは、その時たまたま持っていた自分のお菓子1種類とジュースのみ。

しかも交換はせず、ただいつも通りおしゃべりしながら自分のお菓子を食べるだけ。

口が渇くので飲み物で喉を潤し、眠前薬の時間なのでそこでお開き。

たったそれだけのことでしたが、2人とも上機嫌だったのを今でも覚えています。

患者さん同士での物のやりとりは禁止。
眠前薬を飲んで21時には消灯。

ちゃんとルールの範囲内で開いた「クリパ」は、もちろん看護師さんの注意を受けることはありませんでした。

そう、私たち2人は、「真面目な性格だね」と言われるタイプでした。

年齢は約10歳離れていたけど、企画が得意なM子ちゃんと交流が深まるほど、歳の差なんて感じなくなりました。

2. M子ちゃんの異変

「クリパ」終わって以降の夜、M子ちゃんの元気は本当はありませんでした。

でも彼女は、元気な素ぶりを見せていました。
「クリパ」をしたからこそ、私にはその様子がわかりました。

隣で様子を見るふりをしておしゃべりしていたら、M子ちゃんは無口になり、その後口をパクパクさせるようになりました。

そう気づいた瞬間、M子ちゃんは過呼吸になりました。

M子ちゃんはパニック障害を持っていました。

看護師さんが上手に対応してくれ、M子ちゃんは落ち着きを取り戻し、周囲の空気も平常モードになりました。

3. 15歳のM子ちゃんと私

それから気づいたこと。
M子ちゃんは15歳で、つまり高校入試を控えていたこと。

何かしらの悩みや困りごとを抱えている人たちが、今ここに集まっているんだ、と再認識させられました。

そして、かくいう私も、高校入試直前はひどく体調を崩した身でしたから、当時の苦しい、しんどい状況を思い出しました。

すごく大人びていてしっかりしているM子ちゃん。
でもたったの15歳なんだ、私が経験してきた大学時代もこれからのことなんだ…

歳の差をやっと感じました。

だから私にできること…
「高校の時の数学の先生がね、大学生は人生の夏休みって言ってたの。
それ、間違ってないって私は体感した。
M子ちゃんにも希望の大学にぜひ行って、体感してほしいな。」
…そう伝えました。

今思えば高校入試に緊張している子に大学の話をして噛み合ってないな、と反省していますが、
それだけ当時の空気から発言には言葉を選んだ方が良いと感じていました。

とやかく言うよりも、ただ隣にいるだけで満たされることを、この発言後から私が退院するまでに学びました。

M子ちゃん元気にしているかなーって、ふとした時に思います。

4. 今回のまとめ

・病棟ルール内で楽しもうと思えば楽しむことができる
・ただしそれは気分転換の範囲内であって、各々病状を抱えていることを忘れてはならない
・患者が他の患者さんとできることは、苦楽を共有し合うこと


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


たななこんぶ

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