見出し画像

読むPodcast「田中健士郎の働き方ラジオ」#120 10年で変わったこと、これからの10年で変わること

こんにちは!「働き方ラジオ」準レギュラーのリサです。2020年8月放送の第1回からすべて聞いているヘビーリスナーでもあります。聞き続けるうちに働くことの解像度が上がり働き方(=生き方)が変わった一人です。

音声コンテンツはあまり聞かないけれど文章なら読む方も多いのでは?
より多くの方々に「働き方ラジオ」を届けたい!という思いから文章発信を始めることにしました。過去の放送回を織り交ぜながらお伝えしていきます。

今回は#120(2023/03/13配信)をお届けします 。

「働き方ラジオについて考える時間が一日の中でも好き」「世の中でこれから何が起きるかを妄想していると深夜になり、そのテンションでよく録音する」そんなパーソナリティーにとって2013年は大きな変化があった年なんだそうです。

2013年と言えば、パーソナリティーが製造業の会社に就職して3年目。海外営業で1年の半分は海外生活、国内では逗子に移住しました。大きな出会いや気づきがあり、世の中の見え方がガラッと変わった衝撃的な1年だったそうです。

「これまでの10年はどう変わってきたのか?」
「これからの10年は何が起きるのか?」

という雑感を話していきます。少し長めですがお付き合いください。読んでくださった方にとって気づきのきっかけになるとうれしいです。

それでは「読む働き方ラジオ」スタートです!

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

日本でも「働く」がもっと柔軟になっていいのではないか?

この10年は「働くということ」にひたすら向き合ってきました。そして、ここからの10年、僕は次のテーマをどう設定していくかという大きな節目を迎えています。

2013年は海外から日本を相対的に見る環境にあって、思ったんですよね、「日本の働き方って、まだまだもったいないな」って。
アメリカで働いていた時は車通勤だったんです。日本に戻ると通勤事情はガラッと変わって、毎朝9時に会社に出勤するためにみんなと同じくらいの時間に満員電車に揺られている。通勤ひとつとってもギャップを感じましたね。

働き方で言うと、海外ではリモートワークがすでに普及していました。フリーランスで働いている人も多かったですね。そんな海外の働き方を見て問いを持ち始めたんです。「もっと柔軟な働き方が日本でもできないのか?」って。

大企業を含め働き方を変えようなんてまだ誰も言っていない時代で、そんな問いを持っている僕はまだまだ少数派という感じでした。「働き方改革」という言葉もなくて、ムーブメントにはまだなっていませんでした。
2013年頃、日本でもフリーランスという働き方が急増し始め、地方でどんどん増えていきました。僕が今働いているクラウドワークスのサービスリリースも、確か同じくらいの年でしたね。

この流れから、「これからは東京にいるより地方に行ったらおもしろいんじゃない?」と思い、週末は趣味でよく地方を回っていました。
北九州のリノベーションスクールに参加して、町をリノベーションするプロジェクトに関わったりしていました。当時はシェアハウスやシェアオフィスなどの「シェア」の考え方もまだそんなに広まっていない時代でしたね。

新しい暮らし方や働き方を創っていくっていうところで、地方にはおもしろいことがたくさんあったんです。当時まだ「地方創生」という言葉もありませんでしたが、「やっぱり地方で何かやりたい!」と思って。「地方×働き方」というキーワードで転職活動を始めました。そのタイミングで2014年にクラウドワークスに出会い、翌年2015年に入社したという感じです。
2013年という自分の中では大きな変化があった年がきっかけで、その後いろいろなことが変わっていきました。

10年で個人の働き方には大きな変化があった

世の中で大きな変化があったのは、おそらく2011年の東日本大震災かなと思います。日本もそれまではそこそこ成長している名残があり、一生懸命に働けば給料も上がるような時代でした。ところが震災以降、

「本当の幸せって何?」
「何のために働いているの?」
「本当に大切なものって、人とのつながりなんじゃない?」
「会社のために人生を捧げるよりも、自分らしく働く方がいいんじゃない?」

という考え方が世の中でわりと広がっていきました。振り返ると僕は、2013年頃に世の中のこの変化に気づいたんだなと思います。
そういう時って、いろんな人と出会ったりするんですよね。

はい、ではこの10年で世の中では何が起きたと思いますか?

個人の働き方が大きく変化したと僕は思っています。
大きな変化としてはリモートワークが普及しました。今、世の中の2、3割の人が在宅勤務をしているみたいです。コロナをきっかけに増えたこともあって、おそらく3~5倍になったと言われています。

もう一つ、10年前では本当にありえなかった変化があって。2015年頃から「働き方改革」と政府が言うようになり、2016年頃から副業解禁の流れが一気に増えました。大企業の半数が今では副業をOKにしてるんですね。
クラウドワークスで働いていたこともあり、こういった変化をとても間近に感じることができました。

僕は2020年から「みんなのカレッジ」という教育サービスをやっています。もし5年前にリリースしていたら、タイミング的に早すぎてここまで大きくならなかったかもしれません。コロナを機にリモートワークが普及したり、最近だとリスキリング(スキルを身につけなおすこと、学びなおすこと)への関心が高まったり。副業が当たり前になったからこそ、多くの方に利用してもらえているのかなと思います。

僕は「働くと暮らすを近づける」というマイミッションをずっと持っていて、クラウドワークスの活動や副業への挑戦などいろいろなことをこの10年でやって実現させてきました。
働き方が大きく変化していく中で、ずっと働き方と向き合っていたら「働き方エバンジェリスト」って名乗っていいよって会社から言われ、多くのセミナーに登壇する機会をいただいたりもしました。
みなさんは10年前を振り返って働き方が変わったと思いますか?

ワクワク働くことが大事な時代になってきた

個人の価値観や働き方の変化に対して、企業の価値観やベースとする思想はこの10年でそんなに変わらなかったのではないかと思っていて。だから世の中のシステム自体はまだ今までと同じように動いてるという感覚を僕は持っています。リモートワークや副業も、あくまでも会社の利益にどうつながっていくのかというベースで語られたという印象です。

でもここからは次のフェーズに入ってくるかなっていう感覚があります。企業の根本の思想とか価値観がここからの10年でガラッと変わるんじゃないかな。

2023年1月の最初のゲスト回にお越しいただいたバリュークリエイトの三冨正博さんの話によると、今までは試練の道、本当につらいことでもとにかく努力をして会社のためにやっていたらいつか成果が出るという風潮でした。でもこれからの時代は、本当に一人ひとりが心からワクワクすることに少しでも時間を使うことが大事なんですよ。そこから成果を作っていくことが会社の価値にもなり、一人ひとりの個性にもなっていくという考え方なんですね。

「今までの会社というシステム自体が変わっていくのでは?」「ティール組織(社長や上司が監督・干渉しなくても、組織の目的実現に向けて推進できている組織のこと)が増えるのでは?」ということが言われていたりもします。ティール組織が正しいか間違ってるかという議論はさておきですが。

僕の身近な話でいうと、COTEN RADIOで有名な株式会社COTENは「ポスト資本主義」の挑戦をしているんですね。「世の中が大きく変わろうとしている時代に、人文知や歴史を通じて人々がメタ認知することで本当に必要なことをこのCOTEN RADIOを聞いてぜひみんなでつかみとってください。世界史データベースを作るから活用してください。そのためにはお金が必要だから法人COTEN CREWという名前のサポーターを募集します。」CREWになってサポートをしても金銭的なリターンはないんです。でも知名度の高い大企業も参加していて、COTENの社会実験に賛同する企業が現在70社以上集まっている。貨幣経済的な資本主義がぐらぐらして変化している予兆を感じますね。COTEN自体も大きくなっていて、関わるメンバーも増えているし優秀な方がどんどん集まってきているらしいんです。今後このラジオにも、仲良くなったCOTENのメンバーの方に出演いただこうかなと思っています。

三冨さんもCOTENのメンバーの方も、今年になって僕は直接お会いしていたりするんですね。2023年に入ってこうしていろんな人と出会うようになっていて、2013年の時の感覚にすごく近いなと思っています。

10年前から変わらず僕は働き方に注目はしているんですが、その中でも今は特に「内発的動機」、つまり一人ひとりの個人の内側から生まれてくる興味や好奇心を持って働くということですね、リモートでとかの働き方ではなくて、自分のあり方が変わっていくみたいなことにすごく関心を持っています。「どうしたら内発的動機付けで働く人を増やせるんだろう」ということにとても興味があるんですね。まさに、三冨さんの著書「ワクワクtoできる」のお話と同じなんです。三冨さんからもとても影響を受けています。

最近ですね、こんな話をすると、「すごくわかる!」「これから大事だよね!」と言ってくれる人が周りで急に増えてきて。これまでの世の中だと「内発的動機付けで働く」「ワクワク働く」ことは「自分がやりたいことだから、会社でやることじゃない」とか、「ワクワクを追求するのは確かに大事だけど、それってボランティア的で仕事ではないよね」と言われることが多かったんです。ところが「今こそワクワクが大事だよね」と言ってくれる人がいる。

AIが発展してきましたよね。すると、ロジカルにやるべきことや論理的に正解を出すことはもう人間がやる必要ないのでは?となってくる。そして、心から自分がやりたいからやっている、そういうふうに今自分がありたいんだってなってくる。「どうありたいんですか?」という問いを多くの方が向けられているんですよね。

「あなたは何がしたいんですか、どうありたいんですか?」

みなさんはどうですか?
「あなたはどうありたいですか?」と問われた時、「自分は何がしたいんだっけ?」と迷ってしまうかもしれません。心の中では「こうありたい」っていうものを大事にしたいけれど、仕事上はとにかく成果を出すことを求められる。このギャップにとても苦しんでいる方も最近は多いみたいなんですね。今までずっと売り上げの最大化を目指してやってきた人、特に優秀な方に限って戸惑う方が多いように思います。

だからこそ内発的動機付けで働くことや、どうやったら内発的な動機を自分で作れるのか、あるいはそれを仕事にできるのかっていうことに興味がある方が、最近一気に増えてきた感覚はあるんですね。
スピリチュアルではないんですけど、2013年から10年経って周期が回ってきている。2023年という今、次の波が来ているのではないかと思っています。

この10年で個人の働き方は変わってきました。これからの10年ではおそらく組織のあり方が変わったり、コミュニティーが活発になるという変化が起きたり、働き方でいうと働くことそのものが変わっていくっていう、そんな変化が起きるんじゃないかと考えています。

本当の意味で自分の人生を生きる人が増えてくると思うし、自分の内発的な動機から生まれたエネルギーで生きていたり働いたりしてる人って、周りの人にも影響を与えるんですよね。そのエネルギー、波動みたいなものなのかな、同じ周波数で一緒に振動していってその熱が広がっていくみたいな。それが、働くとか生きることの価値だよねってなっていく、「エネルギーの交換」みたいに言ったりするんですけど。

世の中で何か変化が起きる時、僕はその瞬間スピリチュアルなことを言い出すみたいです。2013年もそうでした。(笑)
世の中でまだ説明されないような変化が起きる時って、少し感覚的な言葉を使わないとうまく説明できなくなると思うんですよね。だから、10年後には今起きている変化もロジカルに説明できるかもしれませんね。

エネルギーの交換をしながらお互いが振動していくように働くというのが、これから10年の間に起きていくんじゃないかなって思っています。ちょっと抽象的ですけどね。

そのためには、一人ひとりが内側からくる好奇心とか感情を動かすことも大事になってくるんじゃないかなと思います。そこから、何に自分はエネルギーを燃やすのかを自分で決めて考えていく、そんな世の中に変わっていくんじゃないか、なんていうことを最近考えています。

働き方ラジオを聞いてる方は、自分に問う時間をぜひ作っていただければと思います。

「あなたは何がしたいですか?どうありたいですか?」という問いにひたすら向き合うっていうのが多分これからの世の中になると思っていて。それを問うた上で、100%じゃなくてもいいと思うんですけど、今自分が働いている時間の10~20%を自分がワクワクすることに使っていく。それが会社の価値になりカルチャーになって、お客さんにも伝わるブランドになっていき、最終的には経済活動にも繋がっていく。そういう会社が増える気がしています。そして、会社が変わると世の中が本当に大きく変わると思うんです。

おそらく、今までの10年の働き方の変化は全体の10~20%の話だったんですけれど、ここからの10年はオセロのように一気にガーッとひっくり返るのか、逆に社会がより不安定になっていくのか。瀬戸際の世の中だなと最近感じています。

「これまでの10年はどう変わってきたのか?」
「これからの10年は何が起きるのか?」

僕と話したい方がいたら教えてください。ぜひ話をしましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?