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間を閉じ込めて 広川泰士 TIMESCAPES

耳が聴こえなくなるのと完全な静寂の間にあるものはなんだろうか。瞳を閉じた時と漆黒の闇の差はなにか。同じようで異なる事柄は私たちに問いかける。答えを知るのは、研ぎ澄まされた感覚だけだ。

90年代にスタートした、世界中の砂漠で撮影された写真を収めた広川泰士の作品群「TIMESCAPES」。一枚に収められた景色は、昼なのか夜なのか、一瞬なのか永遠なのか。写真からの問いは、合間を標榜する機会を与えてくれる。そして相反するものは別々に存在するのではなく、ひとつの中に等しく存在しているのであると教えてくれるのだ。自然界に、そして私たち人間に生と死が内在しているように……。

一旦写真集出版という形で完結した「TIMESCAPES」が今回、新作である富士山を加えて豊島区の大正大学内にあるギャラリースペースにて展示されている。暗闇の中で浮き上がるように見える8×10で撮影された写真たち。会場に流れる坂本龍一の音楽と奏でるハーモニー。ぜひ体感してみてください。ESPACE KUU 空「TIMESCAPES 2016 - 無限旋律2016 - 」広川泰士写真展は3月26日まで。

#写真 #旅 #坂本龍一 #写真集

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