『人と同じものよりも、人と違うものを・・』

「人と違うもの」について考えたいと思います。

子育て・教育デザイナーの石田勝紀さんの著書

『子どもを叱り続ける人が知らない、5つの原則』に

次の様に書いてありました。


20世紀は、高度成長期から大量生産、大量消費という

背景のもと、人と同じであることが重視される時代でした。

学校でも、全員が同じ答えを出すための教育がなされていました。

「個性」というと、変わった人のことを

比喩的に表現する言葉だったかもしれません。


しかし、21世紀に入りもうじき20年が経ちますが

周囲を見渡すと個性的な生き方をしている人が尊敬され

また企業でも「変革」「イノベーション」「ダイバーシティ(多様性)」

「課題発見」などがキーワードとして求められています。

これまで人と同じことを考え、同じことをするのが

美徳であると教育されてきた人にいきなり

これからのキーワードを与えても、それは青天の霹靂でしょう。


なにしろ、そのような教育を受けていないのですから。

非常に目ざましいテクノロジーの進展、

AI(人工知能)の発展によって、

私たちの生活は加速的に変化しています。

今後10、20年で産業構造自体が

変わるのではないかと予想もされていますね。


これは、あながち噂というレベルにとどまらず、

実感として伝わってくるものです。

ということは、人がこれまで行っていた作業や仕事

その中でも、誰でもできるような作業や仕事は

テクノロジーに取って替わられる可能性が高いということです。

そうなると、人間の能力とは「誰にでもできる能力」ではなく

「あなたにしかできない能力」に

フォーカスされていくということでもあります。


もし、誰にでもできる能力しか持ち合わせていないと

「別にあなたでなくてもいいですよ。

ほかに代わりはたくさんいますから」と言われかねません。

この「あなたにしかできない」という言葉は

言い換えれば「個性」さらには「長所」のことです。

つまり、その人の長所にフォーカスして

それを伸ばしていくことが

ますます大事な時代になっているということです。


(『子どもを叱り続ける人が知らない、5つの原則』より)


何度も言っていると思いますが

これからの時代は「誰にでもできること」ではなく

「誰もが持っていないもの」を身に付けることです。

それをヘン・ニエさんは「平凡な存在であっても

非凡なことに挑戦し続ける」と表現したのでしょう。


また私は「誰もが出来ないところまで続ける」と言っています。

何故なら、私の様に何の取り柄もない者でも

「誰もが出来ないところまで続けたら」

「誰もが持っていないものを身に付けること」に

なると思っているからです。


そして、もう一つ「人と違うものを身に付ける方法」は

自分の長所を伸ばすことです。

しかし、私たちは自分の欠点にフォーカスしがちです。

この欠点にフォーカスする癖をなくすのが

自分の「あるもの」に感謝することです。


聖心会シスターの鈴木秀子さんは次の様に言っています。

「あなたが不満に思うたった一つのために

あなたに与えられている、たくさんの恵みが

見えなくなっていませんか?

歩ける自分

目がある自分

家族がある自分

私たちの身の回りには

たくさんの恵みがあふれています」


いつも、自分にあるものに感謝をしフォーカスしていると

それが、人とは違うものへと変わり、その人の強みになるのです。

ヘン・ニエさんは「極貧」だったから

非凡なことに挑戦する勇気と行動力を身に付けたのです。

そして、栄光を手にしたのです。

ですから、私たちも、もう一度「人と同じものではない」

「自分の持っているもの」にフォーカスして

「有り難い」「ありがとう」と感謝の言葉を口にしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?