逆転勝訴はある…!?

スーパーで買い物。
買い物かごをさげてレジへ向かう。
が、まあまあの長さの行列になっていることに気づく。
売り場の方まで列は伸びている。
レジ付近から列の最後尾を目指して遡って歩いていく形になる。
「あ、あれが最後尾だ。」と思った瞬間、一人のおばちゃんが最後尾に並ぶ。
で、僕はそのおばちゃんの後ろに並ぶ。

なんか、モヤッとする。
もちろんこれでいいんだけど、なんかモヤッとする。
そのおばちゃんは一つも悪くないんだが、なんかモヤッとしたものを抱えて僕はレジを待つことになる。

おばちゃんは僕にイジワルしようと思って直前で入ってきたわけではなく、ただただ普通に列に並んだだけ。
だけど、「列に並ぼう」という確固たる意志を持ったのは僕の方が先なわけで。
「ちょっと、僕の方が先に並ぼうと思ったんですけど!」と言ったところで、「は?」って返されるだけだろう。

じゃあ、例えば裁判になった時、どういうことになるんだろうか。
「列に並ぶ」という行為の定義が争点となるだろう。

1.[身体が列の最後尾に入った瞬間]
2.[列に並ぼうという意志を持った瞬間]

この二つだ。
1の方は、客観的に見ても「今!最後尾に入った!」ということがわかる。
客観的な判断がしやすく、証明もしやすい。

それに対して2の方は。
「列に並ぼうという意志を持った瞬間」なんて、はたから見ててもわかるはずがない。
客観性がない。
じゃあ、本人がそれを証明できるのか?
例えば、列に並ぼうと思った瞬間に誰かに「今から列に並ぶわ!」とかラインで送ったならば証明になるかも知れない。
が、そんなことをしてるわけがないんだから、[列に並ぼうという意志を持った瞬間]を証明することなんて不可能だ!!!

そういうわけで僕は裁判に負けた...。

なんてことを並びながら考えていた。
考えごとしてたら時間が過ぎるのは早い。
順番はもうすぐ。
と、その時、裁判係争中だったおばちゃんがフッと列から抜けたのだ!
買い忘れたものを思い出した様子で、鮮魚売り場の方へ向かっていく。

逆転勝訴...!!!

いや、勝訴ってわけではないな。
今回は相手が裁判を降りただけなので、次にまた同じような事案が起こった時にはやはり[身体が列の最後尾に入った瞬間]が勝利することになるのだよ。

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