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バスケは選手ではなく『人』を観よう

最近の活動で、ビジネスなどで素晴らしい結果を残してる方とお話ししたり、本を読んだりすることが増えました。その中で、成功する人のある一つの共通点が見えてきました。


それは『人を人としてみる』ということ。


これを理解できた最近の経験があります。今回はその経験をお話しします。

自分が所属する実業団チーム『横河電機』の部長をされてる方は会社の中で上のポジションの方です。その方とふとしたタイミングで最近の試合についてお話しする機会がありました。

その方がおっしゃってたのは、『A君はこの間の試合緊張していたよなあ』とか『B君は最近元気ないよなあ』とおっしゃっていました。


正直意外でした。その方はめちゃくちゃバスケに詳しい方ではないので、『調子はどう?』とか『次も勝ってくれよ』って一般的なことを言われると思ってました。しかしその方は、選手一人一人の顔を見ていたのです。


これが会社で上に行ける人なんだな、と思いました。結局仕事もスポーツも実行しているのは『人』なので、『人』を大切にしないといけないというメッセージに聞こえました。


自分は最近この『人を人としてみる』という理念を大切にしています。そうするとバスケも別の見方ができるようになってきました。


実例を出すと、去年に比べ成績が落ちているあるチームがいます。(実在のチームです。)表面だけみれば、『昨年から選手が抜けたから』ということが原因です。しかし、『人を人としてみる』というフィルターをかけた場合、全然見え方が変わるんです。


そのチームの試合を見ていると、選手が試合中にしかめっ面する回数が去年より増えました。 (回数は肌感です。)なんでしかめっ面する回数が増えたのかなと思って試合を見ていたら、試合に出てる5人の動きのタイミングが去年より合ってないな、ということに気づいたんです。


バスケのオフェンスってほぼガードから始まります。つまり、ガードはオフェンスの起点です。砲台の発射台みたいなもの。だから、どんなに最強のエースフォワードやセンター(大砲)がいても、ガード(発射台)が変わると土台がぐらついてちゃんと砲弾が打てないんです。


じゃあそのチームは実際にどうなってたかというと、昨年まで在籍していたガードが抜け、新人(1年目)の子がガードをしていました。これを見つけたときに、これが原因だなって思いました。


ガードの変更で起点(=発射台)が変わり、新しい起点とチームのスタイルをすり合わせている途中で、今は攻撃にズレが生じる。そのズレのストレスでしかめっ面をしているのだと。


つまり、『昨年から選手が抜けたから』が問題の本質ではなく、『昨年から選手が抜けてしまったことによって起きるチーム内でズレ』が本質であることに気づきました。


もし『昨年から選手が抜けたから』を本質とした場合、足りない選手の補充をすることが正しい解決策になります。しかし、『チーム内のズレ』が本質であるならば、選手の補充は正しい選択ではありません。チーム内のコミュニケーションが増えるようなイベントを企画する、や、現在の選手の特徴を活かしたオフェンスに変える、などが正しい解決策です。


このように見方を変えるだけで、バスケもこれだけ違って見えることがわかっていただけたと思います。


この見方を使うと、どんなスーパースターでも結局『人』なので、「あ、今自分のやりたいプレーじゃなかったんだ」とか「今、調子良さそうだな」とかがわかるようになります。(マイケル・ジョーダンですら『人』なのでわかるようになります。)


これはバスケだけに限らず、またスポーツだけに限らず、そこに人がいる限りどんなことにも当てはまると思います。この経験は、どんな立場になっても忘れちゃいけないなあと感じました。


以上、選手の独り事でした。

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