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さて次の仕事は

 4月から仕事は土日のカフェ店員だけとなる。
 業務委託で週3日、月80時間やっていた社団の経理庶務を辞めた。昨年前半の稼ぎをつくってくれた文字起こしは5月が最後。おそらくAIへと移行したのだと思う。そして、コンスタントに仕事を回してくれていた友だちの会社はどうやら、、らしく、昨日出した請求書で終わりかもしれない。そうでなくとも、近々なくなるだろう。
 つまり、私の稼ぎは最低時給で週5〜10時間、多くて月3.7万だけとなる。ほぼ家賃(光熱費込)と同額。これでは生きていけない。
 さて、どうしたものか。

 4〜5月はまだ九州へ引っ越すための仕事に挑戦するつもり。クマが出ない九州へ、母方の出自である九州へ引っ越したい。だが、名のない最底辺のフリーランス、それも保証人となる家族がいない者は家を借りることもままならない。
 そのため、とある職種の求人を探しては応募し、書類選考は通過するものの面接で落ちるを繰り返している。すでに3件不採用、かなり心は折れているが、まだあきらめるつもりはない。
 しかしもし面接で現地へ赴くことになったら、そうでなくとも先方の指定する日時にオンライン面接するのなら、時間の融通がつく状態であらねばならない。万が一、採用となったら5月中に引っ越す必要がある。
 カフェはそういう事情をすべて飲み込んでくれているからいいが、他はそうはいかない。だからお金のことに悩みつつも、簡単にアルバイトやパートの仕事を今すぐ始めることはできずにいる。

 でもやはり「次」は気になる。次は何をしようか。
 目立たない仕事がいい。かっこよさなんて微塵もなく、あこがれる人はいないであろう、カタカナじゃない、地味なやつ。
 たとえば、定食屋。カフェでもビストロでもない、いつものごはんを食べられる、きれいでもおしゃれでもない、安い食事のお店。丼飯とおみおつけとお漬物、あと千切りキャベツを添えたしょうが焼きとか、かぼちゃの煮たのとサバの塩焼きとか。ピラフでも炒飯でもなく、焼き飯とか。でっかいオムライスとか、あっさりわかめうどんとか。
 おしゃべりするでもなく、ひとりで来て食べ終わったらさっと帰るような。片隅にあるテレビから野球中継がいつも流れてるような。
 そこで白い三角巾と割烹着と長靴で、毎日同じものをつくって出す。

 ホームセンターの店員でも、名もなき中小企業のパートでも、配送業者の仕分けでも、銭湯の掃除でも、なんでもいい。
 デザインとかアートとかまちづくりとか、伝統工芸だ産業観光だ、マーケティングだのインプレッションだのターゲッティングだの、SDGsうんぬんかん、そういうのから遠く離れた仕事。
 何かをなすこともなく、何かのためになることでもなく、脚光を浴びることもなく、私じゃなきゃならないことはなく、意味なんてない誰でもできる仕事。
 アノニマスがいい。代わりがいないようことはやりたくない。いずれロボットやAIに取って代わられる存在でいい。
 私じゃなきゃ、なんてことは仕事に限らず、たぶん何もない。あなたじゃなきゃ、と言われるのは窮屈でいや。誰にも必要とされたくない。いつだって身軽でいたい。

 ああ、話があらぬ方へ走ってしまった。

 引っ越したいけど実現できるかは分からず、フリーランスとしての仕事はほぼゼロ。であるなら、とにかく仕事をつくらねば。
 うん、仕事をつくる方に舵を切ろう。どうやったらいいか、さっぱりだけど。
 いやいや、九州へ行けない場合を考えるのはよそう。九州へ行けるなら、それはつまり採用されるということ。ならば、次の仕事に思いを馳せる必要はない。
 面接がんばろう。



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