まだもう少しだけ
死んでもいいと思う夜。生きたいと思えるようになりたいと思った朝。だから私はここにいる。まだもう少しだけ、ここにいる。
昨夜は私をお惣菜屋さんにしてくれた日本酒イベントのスピンオフ、ウイスキー会だった。会終了後は、いつものメンツで打ち上げへ。そして、このまま死んでもいいと思いながら眠りについた。
土曜の夜、推しを見つけ高揚した私は、そのまま寝るのがもったいなくて車を出した。迷いながらもいつものバーへ。
大好きな友だちである店主は、片隅にいる客と熱く語り合っている。一見(一聴)ふたりで話しているようだが、友だちはこっちにいる私や奥にいる若者に向けて言葉を発しているように思った。ものすごくケツを叩かれた気分。少なくとも私はそう感じた。
日曜、バイトを終えると、朝までいたバーへ。聞いたこともないウイスキーをいくつも飲んでいく。
ふたりで話しているときはそうでもないのに、他の人がいるとバーの店主である友だちは私に辛辣だ。落として、落として、落として。このメンツでいるときは私にポンコツ役を振っているのだと思い、全身全霊で演じている。(あくまで演じてる!)
会の打ち上げで飲みすぎ、換気扇から流れてくる友だちの笑い声を聞きながら駐車場で寝ていると、優しさの塊が探しに来て手を引っ張って起こしてくれた。お会計のお金が足りないと、辛辣な友だちが代わりに出してくれた。(本当のポンコツ)
そうして車へ戻り、いつものように幸せな気持ちで布団にくるまった。
朝、すっきりと目覚め、幸せの残り香を感じながらインスタを開いた。
昨夜は転勤などで参加できなかったメンツの様子を見る。ふむ、大好きなことを満喫しておる。むむ、新しく興味あることを追究し始めたな。おー、新しい家で新しい暮らしを始めたんだ。
カメラマンでありバー店主である、大好きな友だちは今朝から富山へ向かう。まだ話せない新しい仕事があるようだ。昨夜は早く帰って原稿に取りかかるはずだった優しさの塊は、最後まで打ち上げを盛り上げた。でも今日の締切は絶対に落とさないはず。死ぬときの肩書きは教授じゃなく建築家でありたいと言う友だちは、今日から1年生の面倒を見る。先生の役割をおざなりにすることはない。2足のわらじを履いて大好きなウイスキーの勉強にお金を注ぎ込む人は、3足目として自身のお店を出そうと考えているようだ。
みんな、生きてる。
これまで死んでもいいと思って生きてきた。死んでないから生きている。ただそれだけだった。
たくさん受け取ってきた言葉やチャンス、説教、励まし、楽しい時間。受け取るばかりでなく、私も返したい。もらったものを還元したい。
そのために、プロの取材者としての勉強も、お惣菜屋さんとしての勉強も、お惣菜屋さんとしての活動も、お金の勉強も、お金を稼ぐことも、する。
することをして、したいことをするために、生きたい。
そう思った朝。だから私はもう少しだけここにいる。ポンコツのふりをしながら。
ネコ4匹のQOL向上に使用しますので、よろしくお願いしまーす