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輪の中に入りたくなくても

昨日まで3日間、暮らしている福井県鯖江市周辺を舞台に「RENEW」という産業観光イベントが開催されていた。
身近にかかわっている人たちがいて、どうしても手が足りないときだけ手伝ってみた。チラシを配達したり、当日の受付をしてみたり。

最終日の午後5時。
人を会場へ運び、数日のあれこれに疲れ果てていた私は、会場入口近くのベンチに座っていた。
終わりゆく景色を眺める。もう新たに来る参加者はいないので、受付周辺は緩んでいる。その左右に出店していた「ててて往来市」の人たちはおしゃべりしたりしながら、片付け始めている。
すべてが終わり、スタッフやたまたま居合わせた仲のよい人が集って記念撮影を行うことになった。「アキさんもどうぞ!」と言われたけれど、聞こえなかったふりをして、そのままベンチに座っていた。

楽しげに集まり、晴れやかな顔で言葉を交わす人たち。
30人、40人くらいが笑顔でカメラにポーズをとる。
その様子を眺めていた。

前から気づいてはいたけれど、私はやっぱりこういうのが好きじゃない。
いい悪いじゃなく、苦手。
仕事は、ひとりでもみんなでもできる。
でも、仕事ではなく、みんなでなにかひとつのものを作り、運営することを好きになれない。
達成感や楽しさ、喜びを、そこに見出だせない。

そもそも文化祭や体育祭を楽しいと思ったことがなかった。
体育祭で応援団の衣装を作ったこともあるけれど、他の人たちのやる気についていけなかった。ひとり、淡々と作業をこなしたけれど、終わった後のみんなの涙に浮かんだのは「?」。
お祭りとか、イベントとか、楽しみ方を知らない。振る舞い方がわからない。

輪の中に入りたいと思わない。
輪の中を知りたいと思わない。
そして、結束とか見えないつながりのようなものを感じる集団にはシャッターを下ろしてしまう。それは大人数でも、数人でも同じ。
根っからの一匹狼。
なんて格好いいものではなく、たぶん集団の中で居場所を見つけられないからだと思う。その上、すべてに懐疑的なので、集団で信じるものや目指すものを共有できない。浮きに浮きまくる。
だったら、ひとりの方が楽でいい。

だけど、もし次、なにかあって人手が足りなかったら、手を貸す。
輪に入らなくても、協力はできる。
好きな人たちが困っていて、私にできることがあるなら、やる。
それが、私を動かす原動力。


ネコ4匹のQOL向上に使用しますので、よろしくお願いしまーす