「ジョジョズ ビザー アドベンチャー オーバー ヘヴン」読書感想

DIOとは

 ジョジョの中で圧倒的なカリスマを誇る、海中で100年の時を待つ精神力。世界を数秒間止めることが出来る能力を持ち、出逢うものが恐怖で逃げたしたり、崇拝したり、死を恐れぬ男が唯一恐れるのがDIOの期待に答えられない事であったり、車で路上が混んでいたら歩道が空いてるだろうと、運転手に歩道を行かせる鬼畜。とにかく、悪の帝王がDIOである。

悪の帝王とは名ばかりのDIOの日記

 本書はそんなDIOが第3部の中で書いていた日記である。ジョジョ一向が仲間になれば良いのにとボヤく事やポルナレフを仲間に誘う計画性のなさ、詰めの甘さ、友を求める姿勢。エンヤ婆に小言を言われたくないからこっそり天国の行き方を模索しプッチ神父と密に連絡をとる。ブレない人間かと思いきや、自分と同じように、やっぱこれは違うかと内省している辺りのギャップが魅力のDIOの日記である。

両親のこと

 日記の中で、アル中のクズな父親とそんな父に献身的に尽くし、余剰も無いのに与えようとした母親について触れていた。何かに言及するとは、それに興味•関心が残っているという事であるが、DIOとあろう者が、両親に苛立ちを未だ感じたり、仲間になってくれるなど、人に期待をしてしまうのは、普遍的で変わらない所も面白い。

与える者•受け継ぐ者•奪う者•捨てる者

 世の中には4種類いる。与える者としてジョースター家、そこに産まれ受け継ぐ者としてジョジョ。貧困街から産まれ奪う者としてDIO。捨てる者は、何かを得る為に捨てるので特定の属性ではないのかな?分からない。現代にも当てはめる事も出来るが、どう生きるかはその人の生き方なので、育ちと課題と運命に振り回されながらやるしかないよね。最近、贈与を学んでいるのだが、贈与の輪にいると、DIOに貴様は「与える者•引き継ぐ者か〜」と怒られるか、天国に行くために友になってくれと言われそうだなとふふふっと妄想してしまう。

 以上、オーバーヘブンの感想である。「DIOの歪みはどの部分か?」とDIOやジョジョの奇妙な冒険について、くだらない話を複数の視点で、お酒を飲みながらしたい。

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