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妄想力と想像力はどう違うのか?

 今日は、僕の大きなテーマでもある「妄想力」の必要性について書いてみようと思います。これからを生き抜くために、とても大事なことだからです。人にとっても。企業にとっても。


想像と妄想のちがいは大きい


 妄想って、悪いことだと思いこんでいませんか。確かに辞書で調べると、本来の意味はあまりよくはありません。じゃあ想像と妄想ってどう違うのか? いい意味と悪い意味くらいのちがい? いえいえ、妄想と想像の違いはとてつもなく大きい!と僕は思うのです。

 僕が考える「妄想」とは、制限のない、自由な考え方のことです。まだ世の中にないもの、ルールに捉われないものを求めてイマジネーションを広げたものです。

 かたや「想像」というのは、過去の経験とか論理、世の中のルールなどをベースにしてイマジネーションを広げたもの。しかし言い換えると、「想像」とは、予想の範囲を超えるものではないとも言えます。

 これからの時代、「いま現在可能な範囲のアイデア」や、「現時点の状況で十分実現可能なアイデア」「ほかの誰もが聞いた瞬間になるほどね!と納得できるレベルのアイデア」で突破できる課題ばかりではないのですから、「想像力」だけでは到底太刀打ちできなくなってしまいます。

 だからこそ、「妄想力」の持つ可能性は、果てしなく大きいのです。

 「だったらいいな」

 これが、妄想のスタート地点です。こうだったらいいな。というのはわりと誰でも考えられますよね。そこで「いやいや、ありえないよね」で終わらせるか。それともそれを実現するための方法を真剣に考え始めるか。結果はおのずと明らかです。


自分の夢をつぶしているのは自分自身

 妄想のいいところは、自由さです。こどもの夢のように、のびのびと無限に広がっていく良さがあります。

 でも、僕はみなさんに気づいて欲しいのです。

 「だったらいいな」という自分の夢を潰しているのは、自分自身だったということに。

 しかも、ほとんどすべての人が、常識の名のもとに、無意識に夢という風船を割っていることに。

 でも、考えてもみてください。今現在、いや、昔々から、成功者たちはすべて自分の妄想を実現してきた人たちなのです。

 そんなどでかい夢なんて今さら自分には……、なんて思う方もいるかもしれませんね。どでかい妄想が無理なら、小さな妄想からはじめてもいいし、いつもの仕事に妄想力を働かせてみることもいいことです。

 妄想とは、進む方向性を決める羅針盤のようなものです。

 もっと大きな視点で仕事というものを、人生というものを考えるための道しるべをみつける作業なのです。

 漫然と仕事を続けたり、目先の目標だけを見つめて突き進んだりするのではなく、もっと大きな方向性を持って、仕事に、人生に向かうことこそが大事なことです。その方向性をみつけるために、妄想力は役立ちます。

 そんな馬鹿なこと、というよろしくない大人な思考は、もう捨ててください。それこそ無意味な予防線であり、あなたの可能性を潰してしまうことに他なりません。


企業寿命を縮めているのは妄想力の欠如 


 日本の会社の平均寿命は、12年と言われています。今はまさに産業構造が変わっていく過渡期であり、今後ますます世の中の新陳代謝が高まることで、企業の平均寿命はさらに短くなっていくことが予想されます。しかし、すべての企業の寿命が短くなるのではなく、二極化が極端になっていくと思っています。生き残れるか、否か。進化できるか、否か。

 イノベーションのジレンマ、という言葉があります。成功体験が強すぎる会社はイノベーションを起こせない、という考え方です。例えばかつて世の中を席巻するような大ヒット商品を出した会社があるとします。ヒット商品が未来永劫定番化すればそれはラッキーですが、世の中そんなに甘くはないわけで。一生懸命次のヒット商品を出そうと、頭をひねり、技術を進化させつづけます。

 でも、どうしてもパッとしたものが生まれない。それはなぜか。

 要するに現在または過去の成功を否定するようなアイデアを出せない状態に陥っているからなのです。

 つまりはこれも、自らの妄想にブレーキをかけていることになります。時代はどんどん、加速度的に変化していきます。想像もつかない未知の災難に襲われ、急激に常識が変わってしまうことも、もはや当たり前の現実なのです。

 過去や常識にとらわれることは、企業の寿命を縮めます。企業の寿命を縮めているのは、つまりは妄想力の欠如ということに他なりません。

 時代に合わせていくようでは、遅いのです。

 時代を作っていく。それくらいのパワーと自由度が必要なのです。そういう企業と人財しか、生き残れない時代になっているのです。

 だからこそいま、妄想力、ありますか?


                        田中安人


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