若い頃、あまり花の写真はほとんど撮らなかった。興味がなかった。興味があるのは人や街の風景、雑踏。植物、静物など身近なものは対象外だった。
でも最近歳をとったせいか花が愛おしく思えてきた。なんでだろう。精一杯咲いている花を見て感動している、と言うのもあるけど園芸店で見る花は花魁のようで、本人の意思とは関係なく、買われるためにそこにある。勝手にそんな妄想をするので余計痛々しくて愛おし苦なってしまう。実は花の写真は園芸店でしか撮ったことがない。植物園に行けばまた撮るかもしれない。土手に咲いた花はまだ撮ったことがない。
花は自分を卑しい心を映し出す鏡だと結論づける。