ファミ。
気になる猫がいる。家で2匹飼ってるのに外猫が気になるなんてまるで浮気のようだ。通勤中に立ち寄る某コンビニ裏に住み着いている地域猫。子猫の頃からずっと見てみた。餌をねだるが人には懐かない。でも「ミヤー」とか細い声で泣いて人間の同情を誘う手口は巧妙だ。今もしっかり生きてるがファミと出会って3年目、思い出を織り混ぜつつファミのことを綴っていこうと思う。今日のファミのこと、1年前のあの出来事のこと。
ファミとの出会いは偶然だった。
僕は2年前から出勤時に某コンビニのコーヒーを買うようになった。そのコンビニには猫の気配があった。猫を飼ってると経験的にわかる。なんと言っても猫の餌缶が店舗の裏周辺に散らかっていたから。これだと猫が悪者にになって苦情が来るんじゃないかなと心配になった。猫は悪くない。食べ残しの餌、空き缶を回収しない人間が悪いのだ。それができないなら最初からあげないほうが良い。数週間様子見していた。
僕の顔を見て「ミヤーミャー」とか細く鳴く。
そんなファミを見ているとどうしても餌をあげたくなってしまった。
あげたらずっとあげ続けないと行けなくなる。一時の感情に流されてはダメだ。と思いつつ…。とうとう、とうとうコンビニでモンプチを与えてしまった。
ツンデレだった。警戒し、ちょっとずつ距離を詰めてた。餌までたどり着くとゆっくり食べ始めた。野良猫なら横取りされないよう早食いすることが多いのに、ファミは飼い猫のように少しずつ食べる。子猫の段階で飼い猫のような食べ方。ファミの性格なのか。この頃兄妹らしい茶トラと一緒だった。ちなみにファミは三毛猫、メスだ。茶トラはオスが多い。ファミは茶トラからいつも横取りされていた。この横取りされるところが同情を誘い、通りすがりの人間がそんなファミを見てやたら餌をあげたがる。このパターンは今も続いている。相手は茶トラに限らない。この後ファミの餌を目当てに色んな猫が現れるからだ。
僕はファミの術中にはまってしまった。現在も続く長い付き合いが始まった。
※ファミの性格が気が強いということに気がつくのはずいぶん後の話になる。
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