なかなか行けないけど一度は行きたい台湾ローカル<台南・楠西> 前編
台南市内から電車やバスを乗り継ぎ2時間くらい?で辿り着く、台南と隣の嘉義の県境のエリアにある「楠西区(ナンシー)」。田中も初のこのエリアには台湾最大級の「曾文水庫(曾文ダム)」があります。
(ダムの所在は正確には嘉義の大埔区)。
日本統治時代に八田与一技師が手がけた「烏山頭水庫」の上流にあるダムで、農業・生活用水の確保のために1973年に作られました。
さて曾文ダムに到着すると、思わず言葉を失うほどの視界に収まらない絶景のパノラマビューがお出迎え。
実はこの数ヶ月台湾の南部は深刻な水不足でダムの水が半分くらいの量でしたが、絶景は絶景。このダムは台湾人のリピーターも多いようで、この絶景を見たら納得できます。ここから遊覧船でダムクルージングへ出発。船に揺られて20分ほど、
すると…急に船から大音量のオペラが流れます。
すると離れた対岸から黒い物体がどんどんと走ってくるのが見えます。よく見ると猪が次から次へと湖畔へ向かってきます。
ここは「山豬島(猪島)」と呼ばれ、猪たちからするとオペラの音楽=ご飯の時間の合図。なんだか台湾のおなじみの風景であるあのゴミ収集車の合図みたいです。ちなみにオペラの選曲の理由を船長に聞くと「猪たちはオペラが好きだから」だそうです。(ほかの曲流しても集まってこないみたいです)
ここで猪たちに餌をお腹いっぱい食べさせた後向かったのは釣り場のエリア。台湾では基本的にダムでの釣りは禁止されていますが、台湾で唯一公営の釣り場であるここでは合法的に「ダム釣り」ができます。しかも初心者でも意外とジャンジャン釣れて超楽しい。
この楠西で是非食べたいご当地のグルメと言えば「水庫魚(ダムの魚)」。食堂「四海飯店」の看板料理、豪快に水庫魚の入った鍋「砂鍋魚頭」をいただきます。「砂鍋」とは揚げた魚の頭と豆腐や油揚げ、白菜などの鍋の具材を土鍋で煮た鍋の種類。ダムの水で育った淡水魚の白身はプリプリでこれがかなり美味しい。台湾で鍋と言えばお肉を入れることが多いが、この魚の鍋は是非食べてもらいたい一品。
楠西区の地域の1つに「梅嶺(メイリン)」というまちがあります。
ここは名前の通り台湾を代表する梅の名産地。
元々梅嶺は楠西区の丘陵地に位置し、日本統治時代はバナナの栽培が盛んだったことからかつてはここの地名は「バナナ山(香蕉山)」と呼ばれていました。
その後日本人によって持ち込まれた梅づくりがこの地域の気候とマッチして、以降この地は梅の産地となり、バナナ山から梅嶺へ地名が変わったそうです。そんなエリアにある「梅嶺食品中心」では梅の蜂蜜漬け体験を行ったり、さらに山奥にある穴場の食堂「大眾餐飲」では、この地域の梅を使った名物「梅子雞」をいただきます。
(後編へ続く)
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