売れる営業マンになる方法《前編》

イワシの頭も信心

営業戦略や戦術などの組織だったテーマは別の機会に委ねるとして、営業マン個人でも今スグに実行可能な現場向けの方法が一つある。

それは、バカバカしいほど簡単。
「自分は売れる営業マンだと思い込むこと」
である。

で終わってしまっては「このメルマガの筆者は能書きダケだ」と思われるかも知れないので、どういうことか詳らかにしていこう。

筆者は営業の専門職ではないが、新規の開拓も、既存の維持も深耕も、一通りは経験してきたし、それ相応の結果を残してきた。残せなければ倒産していた。


もしも、これからお伝えすることが、セールスの現場に即していないとしたら
「その程度か」
と嘲笑して頂いて結構である。
営業の専門職もご覧になっているだろうから、筆者の力量を瀬踏みして頂きたい。

ただし、今回は、テクニックについて触れず。主題は、心構えである。

営業の極意

拍子抜けするほど下らないことかも知れないが、自分が「売れる営業マンだと思い込むこと」は、営業の極意といっていい。

なぜなら、売っている商品に自信をもてなければ売れないからである。

では、営業マンが売っているものは何か?

それは、営業の世界で昔から異口同音に語り継がれてきた、

            営業マンは自分を売れ

という科白である。


営業マンは、商品を売っているようで、じつは自分を売っている。ということは、商品に自信を持つ以前に、自分に自信を持てなければ、絶対に売れない。

いや、売れる場合もある。

商品に愛着を持てずとも、自分に自信がなくとも、タイミングや運やフロッグで売れることもある。

が、それは営業科学ではない。まぐれは続かない。

科学的な営業にするには、CRMやSFAといった仕組みを導入する前に、営業マン個人のマインドを確立する必要がある。それが、

          売れる営業マンだと思い込むこと

である。

自分が良いと思えない商品をエキサイティングに語ることが出来ないのと同様に、あなたが良いと思えないあなたを魅力的にみせることは不可能。

福の神と貧乏神

売れる営業マンは自信に満ち溢れている。売れる営業マンであるということは、スキルが高い証拠であるし、社の売上を支えている証拠にもなる。その自信が

           「自分は売れる営業マンだ」

との自負を育む。その自負が、身なりを整える。

香水を振り撒くことではなく、清潔であることに気を配るようになる。

整髪剤をつけることではなく、好印象を与える髪形にするようになる。

スーツに着られるのではなく、姿勢よくスーツを着こなすようになる。

要するに、カッコよくなる。自信に満ち溢れた顔になる。笑顔が絶えなくなる。

まるで、七福神の恵比寿さまや大黒さま、布袋さまのように、富貴をもたらすムードを全身から漂わせる。


そのムードに顧客は惹かれる。だから、

「この人から買いたい」

と思うようになる。ウソか本当か、あなたが顧客の側なら、どうだろう?

たとえばクルマを買うとして、貧乏神を背負ったような営業マンから買いたくなるだろうか?

「売れない営業マンは、何か欠陥があるから売れないのだろう。もしかしたらアフターサービスが悪いかもしれない。顧客からの評判が悪いかもしれない。
この人から買うのはヤメとこう」

とまでは考えなくとも、な ん と な く 買わないのではあるまいか?

貧乏神を背負った営業マンは貧乏くさい。貧乏の臭いは嫌われる。

まだまだだから頑張ります

「そんなコト言ったって、売れないのに、どうやって自信を持てばいいんだ?」

と思うだろう。私もそう思う。

だから勝手に「自分は売れる営業マンだ」と思い込むのである。冒頭に記した通り、それが営業の極意といっていい。

そう思い込んで、誰に迷惑をかけよう?誰の邪魔になろう?誰を貶めよう?

その思い込みが、あなたの身なりを整える。その思い込みが、あなたの髪型を整える。その思い込みが、あなたの姿勢を良くする。

        その思い込みが、あなたに笑顔をもたらす

もちろん、過剰すぎる自信は、よくないどころか、逆効果。ならば、

「まだまだ」「まだ一番じゃないから、一番になるために、もっと頑張る」とブレーキをかけておけば宜しい。


売れない営業マンを「優秀」と認めてくれる人はいない。そのままでは、いつまで経っても貧乏神に付きまとわれてしまう。

貧乏神ファンなら構わないが、貧乏神と手を切りたいのなら「自分はできる!」と、あなた自身へプラスのストロークを送ろう。

なんとカンタンなことだろう。しかもタダ。一円もかからない。

一人でひっそり「イケてんじゃん…フフ」と思い込めばいいのだ。

「でも、まだまだ一番じゃないから、もっともっと頑張ろう」と、自信過剰に陥らないように戒めることも忘れてはならない。

そうして、ひっそりと、自分を褒めて褒めて褒めまくろう。

きっと良くなる。試しに30日間だけ信じてみても損はあるまい。

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