マガジンのカバー画像

言葉とイメージの狭間で

343
ヨーロッパ文化史に関する話題を中心的に扱いながら、人間がいかに考え、行動するのか?を、言葉とイメージという2大思考ツールの狭間で考える日々の思考実験場
運営しているクリエイター

#プロジェクト

品質を想像する

自分用のメモ程度に簡単に。 プロジェクトが良い結果に終わるかどうかのポイントのひとつは、品質に対する想像力だろうなと思っている。 「品質」はプロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKにおいても10の知識エリアのひとつだが、ここをどれだけ大事にできているか?で、プロジェクト全体の良し悪しは変わってくると感じている。 品質を起点とするプロジェクトを実施する上で、設計が大事だというのは、以前から繰り返し書いていることだし、先日も「設計が役に立つ理由」というnoteを書い

置きにいく仕事をしない

これは僕の仕事のようにある限定された領域にのみ通じることなのかもしれない。 そうかもしれないけど、昨日あらためて気づいた。 やっぱり中途半端に置きにいっちゃうといけないんだ、と。それだとあとで余計に苦しくなるんだなと。 置きにいく仕事ここでの「置きにいく仕事」というのは、明確な意図がないがなんとなくこんな感じで良さそうなんじゃないかという程度の計画で進めてしまう仕事のことを言っている。 ちゃんと考えずに、なんとなくありそうな形を踏襲して、「まあ、こんな感じ?」という風に

したいこと

仕事をうまくやる、早く効率よくやるための1番の方法は、したいことをしたいようにやるようにすることだと思う。 仕事がなかなか思うように進まなかったり、仕事からストレスを受けがちな人は、自分がしたいと思うことをちゃんとしたいようにするためにはどうすればいいかを考えないまま、仕事をはじめてしまっているのではないか?と思う。 したいこと、イメージできてる?したいことをするためには、何がしたいかがわかっていないと始まらない。 当然のことを書いてるようだけど、何がしたいかをわかるの

決定論に身を委ねるな、創造的であろうとするなら

創造的であろうとすることとは、もちろん、すべてがゼロの状態から自分の内からの生成力によって生じることを意味しない。 むしろ、ゼロからの創造なんてものは、所詮、人間には無理な話(いや、人間以外にとってもそうなはずだ)。創造とはむしろ、ゼロスタートではなく、すでに外的な環境から与えられたものもうまく利用しながら、ただ、これまでは存在しなかった組み合わせとしての新たなものを創り出す活動なのだと思う。 外的な環境からの影響外的な環境からの影響を受けつつ、創造を行うといって、それは

面白い仕事をつくる

200本目のnote。 1年と3カ月ほどで到達。まあまあのペースで更新できてるのかなと思う。 さて、1つ前の「知ることと創造と。」といnoteで、僕自身、仕事をする際に大事にしてることは「自分自身で力が湧いてくるような環境を整えること」だと言い、具体的にはどういうことをしているといえば「取り組む仕事を面白いものになるようデザインした上ではじめること」だと書いた。 もうちょっと、そのことについて書いてみたいなと思ったので書く。 200本目にして自己紹介をしてみようと思ったの

目利きとファシリテーション

大正から昭和にかけて活動した、青山二郎という骨董収集鑑定家がいた。 子供の頃から眼力を発揮して、柳宗悦らの日本民藝運動の設立にも関わるが、後に退いた。 青山の元には、小林秀雄、河上徹太郎、中原中也、永井龍男、大岡昇平、白洲正子、宇野千代といった錚々たる文人たちが集まり「青山学院」と呼ばれた。小林秀雄は「僕たちは秀才だが、あいつだけは天才だ」と青山を評したと言われる。 本気であっても面白半分 青山学院に集まった弟子のひとり、白洲正子の孫にあたる白洲信哉は『天才 青山二郎の

ヴィジョンと戦略をつなぐ絵を描く

1つ前のnote「時代が必要とすること」で書いた、"プロジェクトで何を目指すか、何がゴールなのか、スコープは何かを問うとき、どうすれば今の時代に必要とされるものを生み出せるのか?という視点で考えてみるとよいと思っている"ということについて、具体的に、どんなイメージをしてるかを図式化してみた。 「今の時代に必要なものを生み出せるか?」というヴィジョンを考えるためには、今がそもそもどういう状況なのかを、自分たちの内側と外側の両方の視点で見つめてみる必要がある。図ではそれを「アセ

いい人

リスクを負えるか。 保守的にならずに、いまを破壊する選択ができるかどうか。 リスクを取れるかどうかもあるし、そもそも保守的な自分の思考の枠を飛びだしてリスクを孕む発想に向かえるかもある。 亭主の仕事は気配のありかたと趣向の盛り付けをきわめることにある。これは景色をつくるということである。 こうしてやっと主客の一線が淡々と見えてくる。そして、遊ぶものと遊ばれるものの交感が生きてくる。それには亭主は、つねになんらかのリスク・テイキングをするべきなのである。 亭主がリスクを負

見えないもののデザイン

見えないものをデザインすること。 見えないというか、とりわけ人間のやることのデザイン。しかも、いわゆるUXとかをデザインすることではなく、ルーティンなオペレーションのデザインでもなく、多くは一度きり実行されることのデザイン。 例えば、プロジェクトのデザインであり、その中の小さなタスクのデザインだったり、はたまたワークショップのデザインだとか。 そういうもののデザインも結局はデザインだから、うまく考えてデザインしないと、どれも良い感じには動かない。機能しない。これぞという目

すべることば

プロジェクトを成功させるために絶対不可欠なもののひとつは「そのプロジェクトは何のために行うのか」を明確にして、プロジェクトメンバー間で共有を行うことだと思っている。 目的が明らかでないのに、どうやって何をやるかが決めたのだろう?と不思議に思うプロジェクトがおそらくたくさんある。やることが目的化してしまっていて、何故それが必要なのかが議論されないので、やることの品質を評価できない。どんなにがんばっても、何をもって「うまく言ったね」というつもりかが不明瞭だから、プロジェクトがう

思考の土台

21世紀になっても人びとの、わからないことへの対処はとにかくオカルト的になりがちだ。 いま読んでるカルロ・ギンズブルグの『闇の歴史』という本に14世紀のフランスにおいて、ハンセン病患者とユダヤ人が共謀して、貯水槽や井戸や泉に毒物を散布したという嫌疑がかけられ、罪に問われた件が話題にされている。とにかく、歴史的には、嫌疑をかける側の証言ばかりが残ることになるわけだから、本当の事の次第を読み解くのがむずかしく、その事自体が歴史の真実を隠し、それゆえに冷静なはずの歴史家までもがオ

情報の扱いは丁寧に

期が変わる時期というのは、何かとバタバタ忙しなくなる。物理的にも、精神的にも、いろんなことが起こるので大変だ。 そんななかでも平常心を保つには、ちゃんと平常運転の仕事も続けることだ。 変則的な仕事や出来事への対応と、平常の仕事や出来事への対応を並行して進めてみると、そこから新たに見えてくるものもあるから面白い。 丁寧に下処理してストック大事なことはバタバタしてる時でも、情報は丁寧に扱うことだ。その時、扱いきれなくても、丁寧に扱っておきさえすれば、後で役に立つことは多い。

わからない時ほど計画を

仕事をする際に計画を立てること。 何をいつ誰がどのように行うかを、何故その仕事をやるのかという目的にしたがって計画立てること。 この計画があるのとないのとでは仕事のスムーズさが違う。時間効率的にも、予算の適切な使い方においても、コミュニケーションにおいても、余計な問題が起こったり想定外の仕事が増えたりということを少なくする点においても、仕事の質を上げる点でも。 計画というのはある種シミュレーションだ。 どんな手順で、どうやって誰といつ仕事をするか、どんなツールを使うか、い

会話の中での聞く力

これからの仕事においては、会話力がよりいっそう大事なビジネススキルになると、ひとつ前の「会話とチームワーク」で書いた。 そして、会話の中で、自分が話すことと同じくらい、他人の話を聞く力も大事なことだと指摘し、次回はそれについて書くと予告しておいた。つまり、今回だ。 という本題に入る前に、もう一度、前提を確認しておこう。 会話力が大事になる前提として、まず、これからはひとつの目的に向かってプロジェクトを進めるチームを結成する際、従来のように、ただたまたま同じ組織や部署に属し