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見ることと考えることの歴史 第1章

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人間の思考の形は時代によって大きく異なる。 その思考の形を左右したのは、他でもない視覚技術の変遷だ。このマガジンでは、人間の見ることと考えることに関する歴史的な変遷を紹介していき… もっと読む
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#イノベーション

1-7.遠近法のウソ

1-7.遠近法のウソ

デカルトが、1637年の『方法序説』の中に、ガリレオの異端審問をきっかけに公刊を断念していた『世界論』の一部を『屈折光学』『気象学』『幾何学』として略述していたことはすでに紹介した。後には、こっちの内容の方がよく知られることになったが、『方法序説』は実はそれらの序文のようなものである。
その略述のひとつ、レンズの研究を元にした光学的思考を展開しているのが『屈折光学』だが、そこで問題とされているのが

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