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開業STの相談料は高い?

開業STとは

多くの言語聴覚士は医療・福祉・教育機関の一員として働いています。

しかし、どこかの施設に属することなく、自分で開業している言語聴覚士もいます。

これを開業STと呼びます。

個人経営の教室の場合は、自費での診療となります。

言語聴覚士単独では公的な医療保険の請求ができないためです。

医療保険(健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度)を使った診療はできませんので、保険を使って負担額を抑えた診療を受けることが当たり前に感じている方にとっては自費だと高いと感じることもあるかと思います。

保険点数から考える

実際に医療機関にてリハビリテーションを受ける場合は、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)の施設基準を満たす場合は1単位で245点(令和3年6月現在、診療報酬改定により変動あり)となります。

1単位とは20分のことなので、仮に1時間リハビリテーションを受けた場合245点×3単位で735点、1点=10円なのでお会計は7350円となります。

1時間7350円ですが、日本の医療保険制度 による負担額の減免がありますので、実際のお会計は3割負担であったり自治体によっては子どもの医療費控除で無料であったりします。

その感覚に慣れていると、個人経営の教室では1回の言語訓練でこんなに払うの?!と驚くこともあるかもしれません。

しかし、医療機関でのリハビリテーションにおいても保険料は税金で賄っているため、窓口負担は減っても知らず知らずのうちに誰かがサービス利用料を支払っていることになります。

儲けたいから高いわけではない

個人でも施設でも、行う言語聴覚療法の質が大きく変わるわけではありません。どこで働いていても、言語聴覚士は目の前の患者さんに対して真摯に向き合って業務に当たっています。

開業するのであれば、その施設を維持するために多くのコストがかかります。教室の家賃・光熱費・人件費・教材費などなどを、相談料の中から出しています。ですから、それら出費を全て差し引いてやっと利益となります。

(この辺りの感覚は、病院や福祉施設、教育機関などにいわば「サラリーマン」として勤務していると施設側が払っているもので、確定申告しかり「会社がやってくれていること」だったりするので、目に見えにくくセラピスト側も誤解している人がいそうな気がします)

ですから、自費の方が保険診療に比べたら高額に感じるのは当たり前のことだと言えます。

それでも値段が気になるなら

大前提として、公的機関を第一選択にすることで出費は抑えられるのですが、おそらく開業STを視野に入れるということは公的機関に頼れない何らかの理由があるケースだと思われます。

もし値段の相場が分からない、という場合は、心理(臨床心理士や公認心理師資格を有する者による)やマッサージの対面サービスの値段と比較してみるのも1つかと思います。

なお、大体10分1000円、もしくは1時間1万円くらいが相場かと思われるので、それより高い、たとえば「相談1時間3万円~」といったものは相当慎重になると良いかと思います。
ただし、相談者の経済的状況や金銭感覚は人それぞれですし、ご自身が納得できることが最も大切でしょう。
開業STでお値段が気になる方は、1か所だけで判断するのではなく、同様のサービスを提供しているその他の人と比較して検討してみることをおすすめしたいです。

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