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小児の言語聴覚士の見つけ方

小児の言語聴覚士はここにいるよ

以前、小児領域で働く言語聴覚士はとても数が少ないというお話をしました。

では一体どこで働いているのか?

今回はこんなところにいるよ、というご紹介をしていきたいと思います。
それでは、それぞれの職場について詳しく見ていきましょう。

病院などの医療機関

リハビリテーション科、小児科、耳鼻咽喉科などに在籍していることが多いです。
私自身はリハビリテーション科に8年間所属し、言語発達評価・訓練をしていました。

耳鼻咽喉科所属の言語聴覚士は聴力検査や補聴器・人工内耳装用訓練を行います。

病院の場合はリハビリテーションを外来で行うパターン、入院で行うパターン、外来と入院どちらでも行うパターンがあります。施設によって変わりますのでご確認ください。

ホームページには小児も診ていると書いてあっても、入院のみであったり、現在は行っていない、なんていう場合も少なくはありません。

直接電話するなどして現状を聞くことが大切です。

小児科→リハビリテーション科→言語聴覚士の予約、と進む場合や、
小児科→言語聴覚士の予約、と進む場合など医療機関によって受診の流れも違いますので、まずかかるべき科はどこなのかも聞いてみてください。

また、総合病院や大学病院では初診時紹介状が必要な場合が多いです。
初診料は5000円以上とけっして安価ではないので、かかりつけ医がある場合は紹介状を書いていただいて持参することをおすすめします。

子ども家庭支援センター

市区町村に設置されている、子育て支援を行う福祉施設です。
日頃は遊び場として開放していたり、育児関連のイベントを行っています。

こちらでも月に数回予約制で個別指導を行っていることが多いです。

私の知っている都内の区では、初回から4回目までは無料で個別相談ができるとのこと。(それ以降は別の施設に紹介)
その場合は言語聴覚士は担当制となり、同じ人が担当して予約も入れるというシステムでした。

また、巡回相談として月に数回個別相談の時間を設けているところもあります。

相談の回数や流れは地域差がありますので、それぞれの施設にご確認ください。

児童発達支援センター

発達がゆっくりなお子さんに対して療育(治療+教育)を行う施設です。
元々「療育園」や「療育センター」と呼ばれていましたが、2012年に名称の統合があり徐々に「児童発達支援センター」に改称されています。

医師も在籍して治療も行う「医療型」と福祉サービスを提供する「福祉型」があり、その両方を持ち合わせた施設もあります。

保育園や幼稚園のような、日中預かり型の通所のクラスを持っていることが多いです。

外来相談は受けたり受けなかったりで地域によって変わるようです。

全ての児童発達支援センターに言語聴覚士がいるわけではありませんし(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理士のいずれか数人という施設も多い)、常勤or非常勤によっても言語訓練の頻度に差があるのが現状です。

通所のお子さんに対しては集団場面だけでなく個別療育の時間を設けることで、個別と集団それぞれの場面でのふるまい方や指示理解度を比較し、アドバイスすることができます。

食事の様子も見ていることが多いので、お子さんの生活面を多角的に観察・評価できます。

児童発達支援事業所

児童デイサービス・放課後等デイサービスと聞くと身近に感じられるかもしれません。

支援方法は主に、日中預かり型の施設と個別指導型の施設に分かれます。

個別指導型は1人あたり1~2時間1対1で療育を受けたり、もしくは集団でソーシャルスキルトレーニングを行うプログラムを提供している事業所が増えてきました。

専属の言語聴覚士がいる施設はとても少ないのですが、少しずつ増えている印象です。

通級指導教室

公立の小学校・中学校に設置されている場合に言語聴覚士が在籍していることが多いです。

言語通級指導教室を「きこえとことばの教室」といい、主に構音訓練や聞き取り訓練を担当しています。

また、ソーシャルスキルトレーニングをする通級指導教室を「えがおの教室」「まなびの教室」「そだちの教室」などと呼んでおり、情緒面へのアプローチをする場合もあります。

これらに参加する場合は、定期的に授業を抜けて通級指導教室の設置された学校に通うことになります。
欠席扱いにはなりませんが、全ての学校に設置されているわけではないので、送迎が必要となる場合もあります。

民間企業

児童発達支援施設を運営している企業で働く言語聴覚士もいます。

臨床業務をしていない場合もあるので、出会える確率は低いかもしれません。

児童発達支援施設の児童発達支援管理責任者をしている場合もあります。

また、少数ではありますが補聴器メーカーや人工内耳メーカーに就職する言語聴覚士もいます。

個人で経営している教室

実は言語聴覚士は単独で開業することができます。

前提として、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は「医師の指示の下」リハビリテーションを実施するという決まりがあります。

つまり、お医者さんがいなければ業務を行ってはいけないという指針があり、理学療法士と作業療法士は全ての業務において医師の指示が必要です。

ところが、言語聴覚士の業務のなかには医師の指示がなくても行えるものがあります。

それは「言語訓練」と「構音訓練」です。

つまり、言葉の発達を支える訓練や発音練習に関しては独立・開業することが可能です。

なお、「聴力検査」「補聴器装用訓練」「嚥下訓練」は医師の指示の下行うことになっていますので、言語聴覚士単独では開業できません。


マンションの一室や自宅といった教室を構えている場合だけでなく、昨今はオンラインで教室を開いている場合も増えてきました。
コロナ禍や遠方で実際に足を運ぶのは難しい方でも、言語聴覚士の指導を受けられるチャンスが増えています。

それぞれのニーズに合った相談場所を

これら以外にも小児領域で働く言語聴覚士は多数存在していますが、代表的な職場をご紹介してみました。

医療・福祉・教育と、さまざまな分野にまたがって活躍していますので、ご家庭それぞれのニーズに合った相談場所へお問い合わせいただければと思います。

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