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『Cape jasmine』 それでも私は幸せです、と言うために


根本宗子さん作・演出・企画ブランニューオペレッタ「Cape jasmine」

 音楽は、チャラン・ポ・ランタンの小春さん。 

 出演は横山由依さん、中山莉子さん、江上敬子さん、あっこゴリラさん、ももさん、そして根本宗子さんと踊りのrikoさん。

 キャストの個性がすごく立っていて、しかしながらそれが逆に、あのメンバーであるということだけで「あ、じゃあ今回はいいや」とした人がいるんじゃないかと思っていて。 

横山由依ちゃんってあの横山由依ちゃんだよね?
芸人さんが出演者に入ってるのかー
あっこゴリラさん、多分飛び道具的な感じっしょ
中山莉子ちゃんってエビ中のアイドルさんか。
ねもちゃんとももちゃんのコンビね、ああ、前に観た観た


そういうものが全部「裏切られていく」ストーリーで。 

 で、またこう書くと「予想を裏切るストーリー」みたいな「物語によくあるモノ」として捉えられて。

 言葉を尽くしても尽くしても、そういう先入観とか「これはこうだ」と決めつけている人には届かなくて、届かないことが悔しくなって 悔しくなった時にはもう、根本宗子の作ってるものに心が引っ張られてるということで。


何かを見た時に「これは私のことを言っている、歌っている、描いている」って思うこと、あるけど、作った人の気持ちは誰も知らない。

 私の心も当然誰も知らない。 

 その歌を歌う歌手は私の人生を代弁するために歌っているわけじゃないし、アイドルだって誰かに人生を投影されるだけじゃなくていい。 

 ただ、自分の人生を自分のものにしたいなら、声に出して言葉を発し続けなきゃいけない。

 言葉を尽しても届かないと絶望しながら、それでも祈るように言葉を紡いで、歌を歌い続けていかなきゃいけない。妄想しているだけでなく。 

 Cape Jasmine くちなしの花。 

 花言葉は「私はとても幸せです」 

 いつだって他人の笑顔のために身を削り誰かのために生き続けてきた横山由依さんと 

 いつだって自分で自分の前にでかすぎる壁を作っては苦しみながら飛び越えてきた根本宗子さんが生んだこの作品のタイトルを 「皮肉だ」なんてなぜ笑えよう。

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