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そのムダ、本当にムダ?

数週間前の話なんですが、とある経営者さんと話をしていました。

というのも、ぼくのハイエンドサービスの1つである、プロジェクト型の訪問コンサルティングに興味を持ってくださったみたいで、「事前に一度話を直接させてもらいたい」と連絡が来たんです。

ぼくは、半年や1年といったプロジェクト型のコンサルティングを契約する前は、一度その人の話を伺うようにしています。なので、その経営者の要望を受け入れて、話を聞くことにしたんですね。

交通費や宿泊費をいただいたということもあり、直接その会社にお招きさせていただきました。

その経営者がやってる事業はガラス細工。従業員は全員で8人と小さな会社だったんですが、そのうち女性が6人、男性は経営者含めて2人という状態。その上で売上の改善はもちろんなんですが、組織の効率化、新商品のローンチなんかもうまくやっていきたいということで、外部のコンサルタントを入れたいと考えたそうなんです。

ということで、プロジェクト型コンサルティングを契約する前の事前相談を始めたんですが、、、なんと、その途中で女性従業員の方たちがおしゃべりを始めたんですね。

そこの会社は店舗と製造所と事務所が1つのフロアに、仕切りなしで一緒になってるような環境でした。事前相談もその中で行っていたので、従業員の仕事ぶりというのが全て丸見えだったんですね。

で、その女性従業員さんたちは、社長がいる前で堂々と雑談を30分近くやってたんです。しかも雑談の中身も全く仕事に関係のないものばかりw 映画とかおいしいケーキ屋さんの話をゴリゴリにやってたんです。

最初は経営者さんもぼくも半ば無視するかたちで話を進めてたんですが、ついに経営者さんがぼくに謝ってきたんです。

「すみません、いつもこんな感じなんです。これじゃマズいですよね。」と。

なのでぼくは「いいじゃないですか。むしろ無駄な時間も作るべきです。」と答えたんですね。

正直にいうと、そこまでの商談は「どうしようかな、、、」という感じでイマイチ決断しきれない状態でした。もしかしたら、「一度考えさせてください」といわれて、そのまま話が消えるというパターンになってたかもしれません。

ですがその瞬間、ぼくはその経営者さんから「ぜひ、田辺さんを招き入れたいです。お願いできますか?」と言われたんですね。

多くのコンサルタントを名乗る人や、組織マネジメントを専門にしている人たちは、無駄な時間を嫌う傾向にあります。

なので、「売れてない商品は破棄」「無駄な時間は排除」「無駄ばなしする従業員は教育・または部署移動」といったことをすすめる傾向があると思います。

もちろん、その方法が悪いとは言いません。ですがぼくは、無駄な作業や行動、商品があるからこそ、売れる商品・生産性の高い時間が生まれるとかんがえるんですね。

例えばさっきの女性従業員たちの雑談だってそうです。

後から聞いて知ったんですが、ガラス細工の経営者さんは過去にコンサルタントをつけたことがあるみたいなんです。そして、その女性従業員たちの雑談をまっさきに注意されたみたいなんですね。

「雑談する時間は無駄なんで、生産性の高いことをさせましょう」って。

でも、そのことを従業員さんたちは面白く思わなかったらしくて、たしかに仕事をするようになったんですが、もともと会社の中に広がっていたハツラツとした雰囲気は完全に死んでしまったというんです。

こうなると、いくら無駄を削いだといっても、回り回って結局生産性がさがっちゃいます。

くどいようですが、もちろん無駄は排除するべきです。ですが、その無駄なものが実は活性剤になっていたという場合もよくあることなんです。

本当に無駄なものなのか?
それとも生産性を上げるための起爆剤・潤滑剤なのか?

このあたりは、しっかりと判断できるようにしていきたいです。

田辺輝恭

ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。