いつも余るビラをゼロにした方法
パンって好きですか?
ぼくはミーハーなのか塩パンが好きなんですが、パン屋さんにいって選り取り見取りのパンをみているとちょっとテンションあがちゃいますよねw
やっぱり焼きたてのモフモフ感はたまりませんし、これから寒くなる季節です。「うおぁ、サッム!」とかいいながら、ホットの缶コーヒーで温まりながら食べる塩パンがめっちゃサイコーなんですよね。
うん、たまらんなぁ、、、w
そんな庶民の味方であるパンなのですが、ぼくのクライアントにもパン屋さんがいます。で、先月のことなんですが「チラシを作ってもビラ配りで受け取ってもらえない」という相談を受けたんですね。
そのパン屋さんではイベントの時に、新聞折り込みチラシとビラ配りを駆使してアナウンスをするというのがパターン化されてるんですが、ビラ配りの方がどうも目標の3000枚をクリアすることができないみたいなんです。
いっつも2000枚近く余る、良くても1500枚ということなんですが、とにかく「いや、いいです」と受け取ってもらえないのが最大のネックみたいなんですね。
なのでパン屋の店主さんから「どう声掛けすれば受け取ってもらいやすくなりますかね?」という相談を受けたんです。
で、正直にいうとこの手のやり方はいくつかあって、ベネフィットを伝えるとか、限定性・希少性を伝えるとか、ティッシュといったノベルティを利用するなどといったやり方があります。なんですが、ぼくは今回ちょっと違ったやり方を提案させてもらったんですね。
しかも、結果としてビラを全て配り終わることができました。
そんなビラ配りのやり方って、興味あったりします?
まぁ、もったいぶらずにぼくが提案した施策をいうんですが、声の掛け方を工夫したんですね。
「んだよ、結局それか!」って反発はちょっと待ってくださいw 確かに施策としては声の掛け方を変えたになるのですが、その声のかけ方がちょっと特殊だったんです。
どう声掛けしたのかというと、「お一人さま3枚まででお願いしま〜す!」にしたんですね。
店名もイベント名も何をしているのかも、何にも伝えません。ただ「お一人さま3枚まででお願いしま〜す!」を貫いたんです。
すると、ビラがどんどん配られていって、最終的には3000部すべてを渡し切ることができたんです。
もちろん、カラクリはあります。まず、そもそも人というのは、何かを与えられる権利より、今ある権利を奪われることに激しい抵抗を覚えます。例えば、深夜の寝静まった時間帯に突然電話がかかってきたとします。
取ってみると「自転車のプレゼントでお電話させていただきました!」と言われました。これを想像してみるとどうですか?ちょっとイラッとしませんか?
一方で、同じ深夜の寝静まった頃の電話であっても、「あなたの自転車を盗もうとしてる人がいますよ!」と言われたらどうでしょう?「マジか!ありがとう!」ってなりませんか?(もちろん、本当に泥棒がいるとしてですよ)
こういった損失を回避したい!という心理のことをプロスペクト理論といったりするんですが、この要素をビラ配りに応用したんですね。
つまり「お一人さま3枚まででお願いしま〜す!」ということで、本当ならいつでもビラを手に入れることのできる権利が、急に3枚までしかもらえないという権利の損失に変わったのです。なので、「え、よくわからんけど3枚しかもらえないのか。」と感じるようになって、ついつい手にとってしまうというわけです。
また、『3枚』というのにも意味があります。渡す枚数を限定するといっても、しょせん渡すものはビラです。なので「1枚まででお願いします」というと、ちょっとお高く留まってるようにも見えちゃうんですね。
さらにいうと、「お一人さま3枚まででお願いしま〜す!」といってるだけなので、通行人からすると何が3枚なのかがわかりません。で、言われるがままに受け取るとビラということがわかって「って、チラシかい!」というようになります。
だから何?と言いたくなるかもしれませんが、言い換えるとこれは会話のきっかけを生んでるんですよね。しかも「チラシかい!」というからには確実にビラのメッセージに目を通してもらっています。
このように、言葉一つで成果というのは大きく変わってきます。今回は、その典型的な事例をお話しさせていただきました。
ありがとうございました!
田邉輝恭
ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。