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嫌悪と好意の返報性

『返報性の法則』というのがあります。

影響力の武器という、世界的に愛読されている本で紹介された言葉なので、多くの人が知ってるんじゃないかと思います。

影響力の武器という本は、マーケティング・心理学を専門とした心理学者である、ロバート・チャルディーニ博士が書いたものでして、「人間はなぜ承諾をするのか?」をひたすら心理面から紐解いた書籍となっています。

その中のひとつとして『返報性の法則』が紹介されてるってわけなんですね。

例えば、そうですね、、。

『無料に関するもの』は、全てこの返報性の効果を狙って、行ってると言えるかもしれません。

よく見かけるものとしたら、スーパーの試食でしょうか。つい先日、家族でイオンモールに行ったんですが、そこでパンの試食がされてたんですね。ソーセージの乗っかったパンだったんですけど、たまたま横を通りかかってしまったばっかりに、子供たちが「欲しい欲しい」とザワつき始めたんです。

「まぁ、しょうがないな〜」ということで、子供たちの分だけいただいたのですが、ふと見渡すと5人くらいのおじさんおばさんたちが、並んでソーセージの乗っかったパンをムシャムシャ食べてたんです。

で、販売員のおばちゃんと話しをしながら「じゃあ、2つください」とか言ってたり、無言でパンを掴んでカゴに入れたりしていたんです。もっと面白いのが、断ってる人たちがなぜかちょっとした罪悪感を顔に出してたことなんですね。

「いや〜今日はやめとくわぁ、、」なんて言いながら。なんなら「私、何も悪いことなんてしてないんだからね!」と言わんばかりに顔を下に屈めながら、そそくさと去っていく人もいました。

そうなんですよ。『無料』で配られてたものなのに、受け取ってしまうとなぜか買わないといけないという判断が無意識に生まれてしまってたんですね。別にいらないならいらない、いるならいると堂々とした判断をすればいいのに。

他にも、近所のおばちゃんから野菜をもらったから、こちらも何かお返しをしないといけない。などと言った、持ちつ持たれつの関係も、返報性と表現することができます。

このようなものが、人が「YES」と言ってしまう要素の一つである、返報性の法則なんですね。

で、この返報性の法則なんですが、人間関係にも影響を及ぼします。

好意の返報性・嫌悪の返報性と言ったりするんですが、要は人は「自分を認めてくれる人を認める」ようにするし、「自分を嫌う人を嫌う」傾向にあるということなんですね。

もちろんこれは、社長と社員の関係性から発生する意見の食い違いにも当てはまります。

「こっちは必死に資金をやりくりして給料を出しとるのに、好き勝手に賃金アップを言いやがって〜〜〜!」という社長の意見 vs 「人の給料は渋るくせに、高級車に乗ったり海外旅行に行ったりしやがって。どこの金をつこうとるんじゃあ!」という社員の意見。

人間関係が最悪まで落ち込んでる会社だと、あるあるの光景なんですが、これは完全にお互い嫌悪の返報性を抱いてしまってる状態です。

こうなったら、どちらかが好意をアピールするしか方法はないのですが、人間特有のプライドとかいうくだらない産物がジャマしちゃうんですよね。

心や精神、仏教などの学問を重ねて、メンタル面を高めれば、自然と人に感謝ができて許しやゆとりの心を養うこともできます。

ですが、多くの場合はこの面に興味がわかないと思いますんで、嫌悪の返報性が成立する前から、常にお互いに敬意を払っておくことが重要だと考えます。

田辺輝恭

ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。