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2つのあやしい関係性

先日、ペットショップを運営している人の話を聞いてました。

といってもその人は、他にも複数事業を組んでいて、小さなコングロマリットのひとつにペットショップがあるという感じだったんですね。

で、その人の話を聞くと、どうやらその人のペットショップは冬になると売上が伸びるらしいんです。

売れる動物は断然ワンちゃんらしく、12月〜翌年3月まで他の月とは1.5〜2倍の売上差があるというんですね。

なのでその社長さんは「犬は冬になると売れるんよ!」と、面白い法則でも見つけたかのように目を輝かせていたんです。

これっていわゆる相関関係を表した考えですよね。

コーヒーが売れれば砂糖が売れる。このような関係を相関関係と言ったりしますが、確かに相関関係がわかれば先の予想をしやすくなったりしますので、事業を有利に展開することができるようになります。

ですが、これには注意が必要です。

というのも、相関させるものが間違ってると、全くあさっての方向に分析が進んでしまうからです。

例えば、さっきの冬になればワンちゃんが売れるという話。これは、社長としては「気温が下がると人肌恋しくなるから、結果としてワンちゃんが欲しくなる。だから売れるんだ。」という分析をされてました。

ですが、他にも「新年または新年度を迎えるにあたって、前々からずっと考えてた新しい家族を迎え入れるを実現させたかった。」というのも考えられます。

つまり、気温とワンちゃんの売上は、相関関係にはあるけど因果関係にあるのかどうかはわからないということです。

そして、先を分析するために本当に必要な関係性は、相関関係じゃなくて因果関係なんですね。

例えば、商談時間が長い相手ほど成約率が高いという関係があったとします。これを相関関係で見るんなら「話す時間が長ければ、成約率も上昇する」というモノになりますよね。

ですが、実は「成約率が高い顧客は、もともと商品に対して強い興味を持ってる。だからたくさん質問をしてしまい、どうしても商談時間が長くなってしまうのだ。」という因果関係があることも考えられます。

ここまで書いていて、ちょっと思い出した話があるんですが、昔聞いた話でアイスクリームとビールの話があります。

けっこう有名な話みたいなんで、もしかしたらあなたも聞いたことがあるかもしれませんが、アイスクリームが売れる月はビールも売れる傾向があるんですね。

ですが、これってアイスクリームを食べるとビールを飲みたくなるか?というと、そんなことってないじゃないですか。(いや、好きな人は好きかもしれませんが、アイスを食いながらビールを飲む人ってマレだと思うんですよ。)

なので、アイスクリームとビールの間には疑似相関はあるかもしれませんが、因果関係はないということになりますよね。

結局のところ、アイスクリームもビールも、気温が高くなると売れるだけの話なんで、本当の因果関係は「アイスクリームの売上と気温の高さ」や「ビールの売上と気温の高さ」になってくるんです。

このように、ざっと周りを眺めるだけでも、いろんな法則性や関係性が目に入ってきます。

ですが、それらは相関関係なのか、それとも因果関係なのかはじっくり情報整理してみないとわからなかったりします。

なので、目の前にパッとデータが現れたとしても、一歩ひいてじっくり俯瞰するクセも持っておきたいですね!

田辺輝恭

ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。