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Mac歴10年超のエンジニアがWindowsへ移行する理由

本当に長いこと、macOSと過ごしてきた自分がWindowsへ移行することにしたのでその経緯と所感について書く。
以下のような人には少し参考になるかもしれない。

  • Macをメイン機にしているがWindowsへ移行するか悩んでいる

  • Macを使いたいが、仕事や学校でWindowsを使わされてストレスが溜まっている

  • Windowsはちょこちょこ触っているが、メイン機にするには不安なエンジニア

  • ゲーム開発や3Dモデル、動画制作他クリエイティブについてWindowsがどの程度使えるか知りたい人


Macとの出会い

もともと、20歳のときにMacを使い始めた。
当時、自主製作映画を作っていたこともあって、編集できるパソコンを買わなくてはいけなかったときにMacを選んだ。
友人のカメラマンが「けーやん、モノづくりならMacがええで」と言っていたからである。

Final Cut Proを買い(当時は今のようなダウンロード版ではなくパッケージがあった)、試行錯誤しながら使っていた。
大学のレポート用に、祖父のおさがりでいただいたおんぼろのWindows MEを使っていたが、すべてMacで作るようになった。

エンジニアになってからもずっとメイン機はMacだ。
iOSゲーム開発をする都合もあったが、世の中のIT企業はWindowsからMacにする風潮があったのだ。

その後も、常にMacとWindows、そしてLinuxを仕事や環境に応じて使い分けていたが、自身が選べる環境にあれば常にMacを使ってきた。

なぜWindowsへ移行するか

主に今回の移行は、仕事によるものが大きい。
ガッツリとゲーム開発を教える機会が増えるからである。

専門外の人のために少し触れておくと、ゲーム開発においてはMacとWindowsで以下のような違いがある。

  • WindowsはDirectXというグラフィック等のメディア向けライブラリに対応している

  • Visual StudioというMicrosoft製IDE(統合開発環境)は基本的にWindows向け(Macでも使えないことはない)

  • Steamのようなゲームプラットフォームでのシェア率は断トツでWindows

  • パーツの自由度はWindowsが格段に高い

  • ゲーム用途ならWindowsで間違いない

  • セキュリティはMacのほうがデフォルトで強い

  • ゲームもあまりせず、パソコンは仕事である程度触る程度の人や、ゲーム用途でない人はMacのほうがいい

  • Web系エンジニアはUNIXベースのMacOSのほうが使いやすい

ざっくり上記のような違いの中で、ゲーム用途(開発含む)ならWindowsであることがわかる。
もちろんiPhone・iPad用ゲームを作りたい人であればMacを使う必要があるが、今回は限定的なゲーム開発を教えるというより、幅広くゲームプログラマを育てるためにWindowsが最適なのだ。

Windowsへ移行するまでの苦悩

移行するまでの苦悩、と書いているが、移行を決めたのは昨日だ。
MacとWindowsを行ったり来たりするのが面倒になったのでいっそ環境をフルでWindowsへ移行してしまおうという決断となった。

いくつかすでにツラミがあったので共有しておく。

  • Microsoft IMEの切り替えショートカットが使いたいショートカットと被る

    • => キーボードを英字→日本語へ変更することで別のショートカットキーを使うことにした

  • MacならIDEを使わずエディタでゴリゴリ書いていたが、Windowsでの開発はIDEを使うことが前提なので環境づくりに苦労

    • => EmacsキーバインドをVisual Studioに入れ、カスタマイズを全体的に施す

  • Web開発やLinux系で行いたい作業が多い

    • => WSL2で解決

  • 使いたいアプリケーションがMacだけのものも多い

    • => 代替を探してどうにかする

  • そこそこ良いスペックで自作PCを組んでいるが、Macと比べて駆動音がうるさい

    • => しゃーない

長くMacを触っていると、こういったさまざまな障害がある。主にプログラミングにおける苦労が多いが、おそらく日常的にも何か出てくることがあるだろう。
ひとまずHHKBで日本語と英語を使うユーザーで、かつEmacsを使う人間はある程度のカスタマイズが必須になる。

Windowsのメリット

すでにWindowsを使う理由は説明したが、それ以外でも良いところがある。

  • 使えるアプリケーションの幅がめっちゃ多い

  • カスタマイズ性が高すぎてワクワクしちゃう

  • パソコンに本当の意味で詳しくなるための環境が整っている

  • 当たり前だがMS製品と相性が良い

  • この先、どんなパソコンでも仕事できる、という謎の自信が生まれる

  • パソコンの縛りが(ほぼ)ないため、用途によっては安い機種で十分だと気付く(コード書くだけならおんぼろで十分)

手をかけるほど道具は研ぎ澄まされる

我々エンジニアにとって、パソコンは道具であり相棒だ。
これまで、Macを自分が使いやすいようにカスタマイズし続けてきた。Macだけでなく、エディタであるEmacsやその他ソフトウェアもカスタマイズしてきた。
きっとMacと共に生きていくんだろうと思っていた。

これからWindowsをメインにするにあたって、やはり同じように手塩に掛けていこうと考えている。ソフト面だけでなくハード面も含めて。
今のWindows機も静電気に気を付けながら一つずつパーツを取り付けて作り上げた自作PCだから愛着がある。
今まで放置することが多かったが、これからはしっかり相棒としてカスタマイズしていく予定だ。

Macを使わなくなるかといえば、そんなことはないのだが(主に動画制作はMacのほうがやりやすい)Windows機との利用の比重が大きく変わることで、人生にとって前向きな変化が起きることを願っている。


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