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メンタルヘルスと社会

大学時代の友人と、コーヒーを飲みながら話した。

公務員として働いているが、数年前にうつ病になり休職し、今は復職したものの体調に波があるらしい。なかなか話せる人がいない、話しても分かってもらえないとのことで、数年ぶりに私に連絡をしたようだった。

最近は「ハラスメント」が問題になっているが、私の知っている人で心を病んでしまう人は、自分に厳しすぎて、自分で自分を責める傾向がある。もちろん他者との関係性で悩む人もいるが、診断がつくくらい深刻な人は、自責の念が強いように思う。

よく今の若い世代が打たれ弱いという話も世代論として語られる。たしかに昔よりも日本の社会は厳しくなくなっているのかもしれない。今は「がんばれ」もパワハラに該当すると知ったときは愕然とした。

だけど、昔よりも経済全体が活気がなく、働く人は会社という共同体の一員ではなく、個のプレイヤーとしての側面が強くなった。社会保障の負担は増えて、SNSでつながっているようで閉鎖的でもある、そんな中で椅子取りゲームのように生存競争を強いられたら、病んでしまう人が増えてもおかしくはないのではないか。

そりゃあ元気でいられるならそれがいちばんいいし、病んだままでいいとは思わない。だけど、今の社会全体の脆弱さとメンタルヘルスへの無理解が結びつくと、本格的に社会の人と人とのつながりが崩壊しそうな気がする。

とくに結論があるわけではないけど、強くて優しい世の中にするにはどうしたらいいかなと、よく考える。

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