tacicaという哲学
tacica。一度は耳にしたことのあるバンド名なのではないだろうか。
わからないという方、このノートの文字数を割くのは勿体無いので、下記オフィシャルサイトを要チェック。
上記に書かれている通り、『ナルト疾風伝』やら『宇宙兄弟』、『ハイキュー!!』などという名だたる有名アニメのOP、EDを担当した経験のある、13年目の中堅バンドだ。
事実、tacicaの名前は知らずとも、ナルトのOPだった“newsong”やハイキュー!!のEDだった“LEO”を知っている人は多いのではないだろうか。(私の友人もしかりだった)
ここでなぜ、わたしが #今から推しのアーティスト語らせて というテーマでtacicaを持ってきたかというと、「名前は知っているけれどその楽曲はあまり聴かない」方に向けて、プレゼンをしたいからである。
サブスク解禁曲多数なので、もし魅力を少しでも感じたら聴いてみて欲しい。というか聴いてください。
tacicaの魅力について以下、徒然なるままに好きなように語っていく。
深みのある歌詞
まずこの下記の歌詞を読んでみて欲しい。
未来に行く以外にないなら
新しい日々に抱かれていたい
大人でもない
子供でもない
満ち欠けの物語
(tacica“煌々”)
ご理解頂けただろうか。
そう、歌詞の意味が普通に読むとよくわからない。
この歌詞は、Vo.兼Gr.の猪狩翔一さんが書いている。
意味不明な単語の羅列ではなく、一般的な単語を並べた文章のはずなのだが、歌詞の意味をそのまま掬い取ることができないのだ。
すなわち、歌詞のメッセージが抽象的で、解釈の幅があるのである。
ナルトのOPとして有名なFLOWの“GO!!!”のように直接的なメッセージをメロディに乗せているのではなく、極めて何回かつ哲学的な歌詞となっており、非常に噛み砕くのに時間がかかる。
例えば、先ほど引用した“煌々”は、ひとひとりの人生について問いかけているように思える。しかし、解釈としては別の考え方もできる。
PVでも淡い光の中でさまざまな人間と市井、その風景が映し出されている。美しい映像をぜひ一度はご覧あれ。
tacicaの歌詞は「難しい」。
だからこそ、その歌に内在するメッセージを紐解くために、聴き手は何度も何度も繰り返し聴く。
深みのある歌詞は更に自身の中で沈着していき、意味を捉える作業の中で自身のお気に入りと化している。
耳心地の良いサウンド
まあ先ずは私のイチオシの曲を聴いてみて欲しい。
カワカワなペンギン🐧が彷徨うPVはさておき。
この“人鳥哀歌 E.P.”(ペンギンエレジー)という曲は、ファーストペンギン🐧に準えて、「ひとの悩み・成長」を歌った歌だと勝手に解釈している。この解釈もさておき。
この曲は、Vo.兼Gr.の猪狩翔一さんの柔らかく包み込むような歌声が、非常に歌詞にマッチしているのである。哲学的な歌詞が優しい声にのって響き渡る。
そして小西悠太さんのBass.の軽やかな響き。素人目ながら難しいはずなのに、難解さを感じさせない。
ドラムもリズミカルで、ついのってしまう。というか全ての楽曲においてドラムのリズムがいい。良すぎる。ドラムのリズム重視で音楽を聴く私の好みにドンピシャだった。
耳心地の良い効果音
こちらも曲を聴いていだたくとはっきりわかる。
2分24秒〜の間奏の部分では、ひとの鼓動が聞こえてくる。そのあとはだんだん大きくなっていき、最終的にはドラムに吸収される。
この鼓動の音が堪らなく、リピートしたくなる。
先ほどの“人鳥哀歌”も、最初のイントロの部分が、謂わばサイレンのように響いているのがいいアクセントとなっていて、ついつい何度も聴いてしまう。
思考中毒
要は総じて中毒性の高いチューンを誇る。
そして、歌を通して考えるという行為を与えてくれる。そして、考え続けることで、歌を深めることに繋がる。そして、もっと好きになっている。
それがtacicaというバンドだ。
徒然と書かせていただいたが、百聞は一見に如かず。
今すぐに聴いてくださいね。
因みにわたしのイチオシはacaci-aです。
頑張っても高が知れてるからって
高層ビルの上から下を見下ろした
人間
その踏み止まった右足で
また歩き出そうと笑えるのに
そう時間は掛からなかったよ
上記の歌詞の意味を、ぜひ深めてみて下さい。
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