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彼と出会ったのは18年前だった。

ぼくは当時、携帯電話の部品を製造する工場で働いていた。その仕事の都合で、ぼくは岐阜県に住むことになった。地元は嫌いではないが、自立をするためにも大阪を離れてみたいと、ちょうど思っていたところだった。23歳だった。

大阪を離れて一人暮らし。親戚もいない、友達もいない、知っている人がいない暮らし。そんな感じでぼくの岐阜県での生活がはじまった。

仕事はなんだかんだで楽しかった。当時の製造業はぼちぼち給料がよく、労働時間が長くても苦にはならなかった。しかし、仕事場には年上の人が多く、友達になる人はいなかった。

ぼくは当時、自分のPCを持っていなかった。その頃、大阪では「インターネットカフェ」が流行り出していた。まだ岐阜には少なかったが、引っ越した家の近くには、運よく1店舗だけ「インターネットカフェ」があった。

岐阜でも友達が欲しくて、どうやったらいいのか?考えた。当時は「SNS」などはなく、「ネット掲示板」くらいしかなかった。とりあえずその「ネット掲示板」で募集をしてみることにした。

ぼくは高校の時からストリートダンスに興味があった。社会人でダンスに興味がある人がいたら嬉しいなと思い、「一緒にダンスを練習する人」を募集した。

すると、募集の掲示板を見て「連絡をくれた人」がいた。それが今でも友達の彼だ。彼は当時大阪に住んでいたが、地元の岐阜に帰ってくるということだった。ぼくは大阪出身で、大阪という共通点もあり、会ってみると気の合ういい奴だと思った。それが18年前。

そして今日、約2年ぶりに再会した。ぼくは今、名古屋に住んでいるが、彼は今でも岐阜に住んでいる。当時よりもお互いの家の距離があることと、コロナ禍ということもあり、なかなか会う機会を作れていなかった。だから今日は、再会できて嬉しかった。

彼と頻繁に会うことはなくなったが、毎回思うことがある。「久しぶりなのに違和感がない」という感覚だ。2年も顔を合わせていなかったのに、全然いつも通り話が弾み、楽しい時間を過ごせた。これが「友」というものなんだろう。

ぼくと違い、しっかり者の彼は、相変わらず仕事もプライベートも充実しているみたいだ。以前、彼が経営しているシェアハウスに何度かお邪魔したことがある。また遊びに行きたいと思うくらい楽しい空間だ。特に屋上でバーベキューをするのは最高だった。

あっという間に時間は過ぎた。楽しい時間というのは早く感じるものだ。今回は彼が名古屋に来てくれた。だから、次は岐阜のシェアハウスに、ぼくがお邪魔して「バーベキューをしよう」と話して別れた。

バーベキューも楽しみだし、彼の考えている面白いことを聞く事も好きだ。また彼に会うことが楽しみだと思いながら、ぼくは電車で帰った。

今日も読んでくれて、ありがとう。



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