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一缶の癒し。

玄関のドアを開けると、外は夏の晴天が広がっていた。

今日は午前中から用事があり、ぼくは朝から出かける準備をしていた。グレーのワンポイントロゴのTシャツに、涼しいカーキの長ズボン、そして、スニーカーは最近気に入っているホカオネオネのスニーカーでいくことに決めた。しっかりと日焼け止めを顔や首周り、腕に塗った。

家はエアコンが効いていて、とても快適だ。外は梅雨が明けてからは、気温は厳しく、湿度も高い。エアコンがなかったら、きっと家の中でも夜は寝苦しいだろうと思う。本当に夏はエアコン様様だ。と思いながら準備を終えた。

午前10時を過ぎ、出かける準備ができたぼくは、外へ出てバス停へ向かった。バス停は家から近く、およそ3分程度。外の気温は「少し暑いな」と感じる程度だったのは、バス停が近いからだろう。バスは特に遅れもなく、スムーズに乗り込むことができた。

バスの中は心地がいい温度で快適だった。カバンに入れてきた小説を取り出し、目的地の近くのバス停まで揺らながら読むことにした。電車やバスに乗るときは、本を読むことで、実にあっという間に時間が過ぎる。

今日の目的地近くのバス停に、30分で着いた。着いた時は本に集中していたから、「もう着いたのか」とぼくは思った。かなりリラックスしていたぼくを、そのあと高い気温と湿気が襲った。バスを降りると別世界にいるような「暑さ」だった。その時「夏」をジリジリと肌で感じた。

バス停から目的地までは、徒歩で20分ほどかかる。真夏の徒歩20分は過酷だ。はっきり言って、この炎天下でマスクをすることも地獄だ。灼熱の太陽が照らしてくる。少しでも日陰に入りたいと思いながら歩いた。

少し歩くだけで汗が噴き出るのを感じた。目の前にプールがあるなら飛び込みたいと思うくらいだ。残念ながらプールはない。Tシャツは汗ばみ湿っていたが、時より吹く風のおかげで心地良かった。

目的地の手前で、自動販売機を見つけた。思わず立ち止まり、「缶ジュース」を買った。「缶ジュース」を握りしめた手は、その冷たさに癒された。缶の口を開け、一気に身体の中へ取り込む。その瞬間、渇いた身体が蘇るような気がした。

この地獄の中で、この缶ジュースがどれだけの涼しさを与えてくれただろうか。暑さで鈍っていた意識は、鮮明さを取り戻した。

そして、用事を済ませたのは昼頃だった。帰りの道のりは、これ以上に地獄だったことは言うまでもない。

今日も読んでくれて、ありがとう。

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