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デザイナー勉強会の運営ノウハウ

この記事は、2017年11月30日に執筆し、加筆・修正を加えたものです。

こんにちは、デザイナーの田村(@tamu0505y)です。

突然ですが、あなたは勉強が好きなタイプでしょうか?

自分の好きな分野なら全く苦にならないけれど、苦手意識を持った分野は、本を開くだけ苦痛という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そんな専門外の分野でも、会社のチームメンバーで集まってワイワイ勉強すれば、案外楽しくなるものです。

わたしの所属するUXデザイングループでも、週に一度「デザイナー勉強会」を開いています。

どうしてデザイナー勉強会を始めたのか、何を勉強しているのか、どうやって運営すればいいのか。

今回は、そんなデザイナー勉強会を通して得られた、運営方法の知見について吐き出してみたいと思います。

デザイナー勉強会の目的

ずばり「スキルアップ」です。

元々のきっかけは、チームの中長期的な展望を考えるためのミーティングで、「自分の専門領域(デザイン)以外のスキルアップに投資する時間も必要ではないか」という意見が出たことでした。

クラウドワークスでは、エンジニア・マーケター・プロダクトオーナー等、様々な職種のメンバーと協働しながらデザインを進めることになります。

そのため、デザイナーもエンジニアリングやマーケティング、プロジェクトマネジメントといった領域の基礎を学ぶことで、より良いデザインの提案に活かせるようになるのではと考えました。

勉強するテーマを選ぶ

続けて、デザイナー勉強会で取り上げるテーマを選びます。

当初の案として、以下の3つの領域が挙げられました。

エンジニアリング
データ分析
UXデザイン

このうち「UXデザイン」については、既にチーム内でユーザーインタビュー等のUXデザイン手法を試し始めていたこともあり、いったん見送りました。

残ったのは「エンジニアリング」と「データ分析」ですが、一口にそう言っても範囲は膨大です。

そこでエンジニアリングについては、社内で開発言語として用いられている「Ruby on Rails」に触れることで、Webアプリケーションの基本的な仕組みを。

データ分析については、社内でredashを用いてKPI等の計測が行われていることから、「SQL」に触れることでデータベースの基本的な仕組みを勉強することに決めました。

目標を決める

勉強するテーマを選んだら、目標を決めましょう。

例えば「Ruby on Rails」を題材にエンジニアリングを学ぶといっても、本格的に実装できるようになることを目指すのか、基礎に触れて体験してみることを目的とするのかによって、勉強会の内容は大きく変わってきます。

今回の場合で言えば、わたしたちが目標として定めたのは後者です。

当初の目的は、デザイナーが他の領域の基礎を学ぶことで、より良いデザインの提案に活かせるようになることでした。

言うなれば、外国語がぺらぺらに話せるようになることではなく、その国の文化に触れることでリスペクトを深めるというイメージです。

必要なリソースを揃える

後はデザイナー勉強会を進めていくにあたってのリソースを揃えていきます。

ここでは、次の2つのことを準備しました。

教材を選ぶ

選んだテーマと目標を元に、適切な教材を選びます。

今回は「Ruby on Rails Turtorial」というWebサイトと、「スッキリ分かるSQL入門」という本を教材にすることに決めました。

当初「Ruby on Rails Turtorial」を選んだ際には「難しすぎるのでは?」といった声もあがりましたが、主軸に置いていたのは「Webアプリケーションの仕組みを知ること」や「開発のフローを体験する」ということです。

実装できるようになることを目指すのであれば、もっと簡単な教材から始めるべきなのかもしれません。

しかし「Herokuにデプロイする」「テストを書く」「Gitでバージョン管理を行う」という、実際の開発のフローを体験することを重視するのであれば、「Ruby on Rails Turtorial」は優れた教材になると考えました。

「スッキリ分かるSQL入門」については、SQLを学ぶにあたり環境構築が必要ない(あらかじめ用意されたWebサービス上でSQLを実行して体験できる)ことと、事例や練習問題が豊富ということから選びました。

先生を見つける

デザイナー勉強会を進めていくにあたって、「先生」役をしてくれるメンバーを探しましょう。

上記の教材は、どれも一人で進めることができるものではあります。

しかし、つまづいた時に教えてくれるような先生役のメンバーがいることで、効率よく勉強を進めることができますし、参加しているメンバー同士の目線も合わせやすくなるのです。

あなたの周りにも、根気よく優しく教えてくれる先生がきっといるはずです。

デザイナー勉強会を開いてみる

以上を踏まえて、実際にデザイナー勉強会をやってみました。

実際にやってみると、良かったことも悪かったことも分かり、非常に得るものが大きかったです。

良かったこと

当初の目論見通り「基本的な仕組みを理解する」という目標にはかなり近づくことができたように思えます。

Ruby on Railsでは、「Hello World!」としか表示されないWebアプリケーションでも、実際にデプロイまでしてみると一気に理解を進めることができました。

SQLでも、データベースの仕組みや構造のイメージを掴むことができ、少しずつですが実務にも活かせるようになるための筋道が見えてきています。

悪かったこと

デザイナー勉強会は週に一度のペースで開いているのですが、当初は「Ruby on Rails」と「SQL」の回を交互に開いており、これは見事に失敗しました。

前回どこまで勉強したのかを忘れてしまうことと、どちらも計画通りにカリキュラムが進むわけではないので、交互にやろうとすると両方中途半端になってしまうのです。

これを受けて、途中からはまずSQLの教材を消化することに集中した結果、良いペースで進められるようになりました。

おわりに

今回はデザイナー勉強会の運営方法についてご紹介しましたが、実際に使用している教材まで書くのはなんだか照れ臭いですね。

それでも、もし「うちのデザインチームでも勉強会をやってみたいんだけど、どうすればいいんだろう?」とお悩みの方がいらっしゃれば、この記事が何かの参考になれば幸いです。

ちなみに、クラウドワークスのUXデザイングループでは、みんなでワイワイ集まって勉強会を楽しんでくださるような好奇心旺盛なデザイナーを絶賛募集しております。

よろしければ、ぜひオフィスまで気軽に遊びに来てくださいね。

あなたの幸運を全力で祈ります!