本のきろく#004〜三十光年の星たち〜
こんにちは。今日は本の記録です。
ずっとずっと大切にしてきた本です。
読みすぎて、ボロボロですが。
この本は、本好きではない友人2人に誕生日プレゼントとして、上だけあげたものの多分読んではもらえてない伝説の本です。(伝説?)
まぁ、そもそも本が好きではない人に本を薦めるのが間違い?
上の写真は下巻です。今、上巻はおかんに貸しています。
そう上下巻あるような超長編小説を本があまり好きじゃない人にプレゼントしちゃう私のチャレンジ精神をまずはほめて欲しい。
世の中のありとあらゆる分野において、勝負を決するのは、人間としての深さ、強さ、大きさだ。鍛えられた本物の人物になるには三十年かかる。
あとは自分で考えろ。これから先、三十年のあいだ、そのつどそのつど、悩んだり苦しんだり、師匠を疑って反発したり、ときには恨んだりもするだろう。そしてそのつど、なぜだろうと考えつづけるだろう。
そうやって考えつづけて、あるときふっと、ああそうなのかと自分で気づいたこと以外は何の役にもたたないのだ。
どの分野にも若くして天才と称される人がいる。事実、それだけの才能を持って生まれた。しかし、そのうちの何人が、才能を磨いて大成できたか。
自らの才能を超えた大仕事を、年齢とともに成し遂げていく人間を天才というのだ。だが多くは、あいつにあったのは若いころの才能だけだったというような年寄りになってしまう。
それはなぜか。「三十年間」に耐えられなかったからだ。
「三十年後」というものに焦点を定められなかったからだといってもいいし、「三十年間」を途中でどこかで投げ捨てて、うぬぼれていったと言い換えてもいい。
ここ、しびれません?
今の決意、やる気、才能、なんてどうでもいい。三十年後、どんな自分になっていたいか?
この本をはじめて読んだ頃は、あーもっと若いうちに出会っておきたかったとおもったのですが、今もう一度読んでみたら、その三十年がいつはじまったっていいんじゃないか?とまたスタートできると思えるけっこう前向きな自分がいました。(イエーイ!)
この小説の執筆三十年前、宮本輝さんがある人に自身の作家としてのこれからの決意を聞くなり、お前の決意をどう信じろというのか、三十年後の姿をみせろ、と言ってくれた人がいる。とあとがきに書かれていた。
一見、冷たく突き放すかのような言葉だが、その人はきっと三十年後の作家宮本輝の姿を誰よりも期待し、応援していたんだろう。とわたしは思います。
そして、何より宮本輝の書く文章の美しさよ。
この人の本を読むといつも日本語が美しさを再確認できます。
殺人事件とかミステリーとか別世界へ連れて行ってくれるような本も大好きなんですが、ふと悩んだときに読み返せる。
自分の人生に寄り添っていていれるようなこの本がだいすきです。
そんなこんなで今日はここまで
それでは皆さんごきげんよう
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