子どもの未来が変わる英語の教科書
2020/4/27編集済
教育関係の読書をする時の目的は2つ
①指導法を知りたい
②指導の背景にある思いを知りたい
多くの教員がこれら2つを目的としているのではないでしょうか。
子どもの未来が変わる英語の教科書 著:正頭英和
は①指導法を知りたくて読み始めました。
結果から言うと
高度すぎて私には真似できません!(多分)
一方でその背景にある
なぜ今英語教育が必要なのか?
ということについて改めて考える機会となる一冊でした。
今回の記事は本の内容(本文●)を順番を入れ替えながら紹介しています。
①AI時代の捉え方
●AIの発達により課題解決は機械に任せる。人に求められているのは課題を見つける力
●知識量はITでカバーできる。大切なのは行動力。行動✖️知識=経験
●経験がこれからの教育で大切
AIが発達し機械に仕事を奪われる未来を想像している方もいるかもしれませんが、おそらくそれは一部の職業だけでしょう。AIは行間を読んだり、国語や英語で求めらたりする文章理解力に課題があるとされています。それはAIは電子演算機能の延長線上にあり、数値化される論理・確率・統計の処理に長所を持つからです。課題の解決に置いて、論理と処理速度の利点からAIが担当できますが、発達した社会において新しいニーズとなる課題を見つけ出すことは、行間の読める人の役割であり続けるでしょう。
課題を見つけ、解決に向け行動するためには、ITによる知識量のブーストとともに意欲が必要です。この意欲は学校教育で提供される「経験」で育つのではないでしょうか。経験を別の言葉にするとチャレンジすることとも言えます。「成功か失敗かに関わらずチャレンジしたという経験を提供できたか」がこれからの学校教育の良さに繋がるのです。
②英語学習の良さや特性
●英語の学習は失敗して当たり前。
●英語が伸びにくいのは、失敗を極端に恐れる子
●英語は実技
そもそも学校では様々な教科がありますが、なぜ英語学習が大切なのでしょうか。この本を読むまですっかり忘れていたのですが、メジャーな子どもたちは英語を知らないということが重要になってきます。算数なら失敗を恐れ、周りの目を気にして引っ込み思案になったという経験はありませんか?自分自身もありますし、多くの方が似たような経験をしたのではないでしょうか。(授業以前に学級の雰囲気作りに問題があるのですが。)しかし、知らない事が前提の外国語なら、みんなで間違えられる。そうして結果的に行動力に結びつきます。だから、今、英語教育が重要なのです。
一方で「英語に苦手意識が」「他の教科は?」と言った意見もあるでしょう。結局のところ苦手を極端に怖がる子どもにどう支援できるかが教師の腕の見せ所になります。もちろん、他の教科もみんなで間違えられる雰囲気作りができれば同様の効果が得られると考えます。それらを考慮した上でも英語は雰囲気作りがしやすいということに変わりはないでしょう。
後は個人的な感覚の話になりますが、英語は何度も聞く事、喋る事によって英語脳ができます。自分が大学生の時、TOEICの学習をしていると途中から英語を日本語に変換せず、英語のまま思考している感覚がありました。英語の音と言葉のもつ概念が一体化したような感じです。これはどちらかと言えば、図工や体育のように活動を通して磨かれる感覚に近いと思います。したがって、一部の誤った国語や算数のように知識に偏重した学習よりは、子どもが取り組みやすいのではないでしょうか。
③素敵だなと思った言葉
●性格は変えられないけど行動は変えられる
●引っ込み思案だけど質問できる
●英語はゴールではなくスタート
●子どもの勉強で大事なのは、そのスピードや効率ではなく、学びのプロセスでどんないい景色を見られたか。
「引っ込み思案だけど質問できる」この一文と出会えただけでも本当に価値のある本だったと思います。英語も含めコミュニケーションでは話と同じくらい聞きが大切です。質問ができることの大切さ、そして性格だからと思考停止していた自分を振り返るきっかけになった言葉です。
英語は話せるようになる事が目的ではありません。それを使って、またそれをきっかけに夢に向かって動き出せるツールです。未来には高性能な自動翻訳機があります。しかし、学習したその経験が、その過程が子ども達の行動力を後押しします。「どうせ、将来使わないよ」と大人が止めるのではなく、子供と一緒に楽しみませんか?
最後に
エピローグがまた素晴らしいのですがあえて載せません。
是非読んでみてください。