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【読書ノート】BRAIN DRIVEN 2) - ストレス

「BRAIN DRIVEN ( ブレインドリブン ) パフォーマンスが高まる脳の状態とは BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは」。前回の「モチベーション」に引き続き、今回は「ストレス」についてです。

さて、ストレスと聞いて、自分に当てはめていろいろ考えてしまうところですが、ストレスの原因、ストレッサーには2種類あることをご存知ですか?

  • 外部からの刺激がストレスの間接的な原因となる外刺激由来のストレッサー。ある現象や他人からのコメントなどが外刺激。

  • 嫌な体験からくるストレス反応を思い返して再度ストレスを感じる内刺激由来。自分が考えることがこの例。

同じストレッサーに対して、私たちは異なる反応を示します。たとえば「ステージに立ってプレゼンをする」というタスクをストレッサーとすると、注目を浴びるのが好きな人にとってはモチベーションになるし、そうでないと多大なるストレスになりますよね。つまりはストレスは言葉通り「感じ方」次第ということ。その違いを把握することは、ストレスとの付き合いかたを考える上で非常に重要です。

ストレスとうまく付き合うコツの第一歩は、ストレス反応をしている状態に気づくこと。研究によると、ストレスがないと言い続けている人のほうが、うつ病になりやすい傾向があるとのこと。ストレスを認知できていないと、ストレスを受けていたとしてもどう行動するべきか分からないから。モチベーションのチャプターでにもあったメタ認知の大切さがここでも説かれています。

認知ができたあとで大切なのは、成功体験と、その途中にあった失敗を同時にパターン学習すること。成功体験が得られてポジティブな感情が出ているときに、失敗の経験あるいはストレスと結びつけて同時に学習すると、純粋な失敗体験を振り返るよりも学習しやすいそうです。脳の中で「ネガティブな失敗やストレスにも意味があった」と捉えられるのがその理由。ストレスは生存競争において必ずしても悪ではなく、活用次第ということになりますね。

活用次第、と言ったのは、「いま自分がやりたいと思っていること、やろうとしていること」から受けるストレスは、適切かつ良いストレスだから。私はトーストマスターズでスピーチを発表するときなど、練習時よりもスクリプトを忘れることが少なく、言い間違えも少ないことが多いです。いい意味のストレスが、注意力や記憶定着効率を高めるからです。

ただ過度なストレスはいけません。いつも上司に怒鳴られていると、萎縮してしまいいいパフォーマンスは発揮できません。慢性的なストレスもご法度。上司や先生などに怒られた状況を繰り返し思い返すということは、怒った人に原因があるわけではなく、思い返している人自身がストレスの原因を作り出している状況です。

ネガティブな出来事に対する反応を繰り返し、自分の世界に入り込んでしまう。嫌な出来事だけを思い返して不快感を引き起こすだけでなく、その相手との他のネガティブな出来事を思い返し、ありもしない想像までしてしまう。

個人的には、以前の私のストレスの原因は9割はこれだったように思います。元夫に怒鳴られた内容を脳内で24時間繰り返していて、ありとあらゆるものに怒りの感情を抱き、でも夫に対してはそれにプラスして恐怖の感情も持ち、結果的には胃に大きな穴を開けたのだから。

対処法として、普段から意識的に心理的安全性を生む存在を持っておくこと。お気に入りの場所、食べ物、人などなど、リラックスできる存在や環境を日頃から探しておく必要があります。

その日1日を無事に過ごせたことに感謝する振り返りの大切さも挙げられています。ちょっとしたストレッサーにいちいち過剰に反応しなくなるからです。脳の強化学習とプラシーボ効果の両面から説明できる「心を込めてやり続ける人にだけ脳のネットワークは宿る」この習慣。私もそれを強く信じていて、1日の最後に仕上げるジャーナルで、今日1日で感謝したこと、心に残ったこと、そして達成したこと、を記しています。

前回のモチベーションでも、そしてこの「ストレス」においても、メタ認知がキーワードだなぁ。私はマインドフルネスを意識する瞑想はとても苦手なのですが、そろそろその苦手意識を克服するときかな、と思わせてくれます。

お次は最終回のクリエイティビティについてです。


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