【Wantedly】2020.8期-本決算

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【経営成績】

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★+5.9%の増収で増収はそこそこだが、増益は+45.2%と素晴らしい伸び。
★営業利益率は10.4%⇒14.3%とおよそ4ポイントも増加している。これは振るった。コロナ禍直撃でこれはかなり上出来な部類の決算。
★一方で、業績予想は弱気。増収はちょっとの予想。減益見込みはかなり。▲44ポイント。コロナ禍で傷んだ労働市場を経営は重く見ているというメッセージでしょうか。ITスタートアップ的な浮ついた感じのない絞まった業績予想。やはり上場する会社はここらへんが違うのか。

営業CF。

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★対前期比で、▲208M→▲7.6%のマージン。マージンは約半分になった。以下でその増減内訳を見る。

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★税引き前利益+133M、売上債権+61M、未払金▲219M、法人税等▲135M、前受金▲26Mといったところ。増益分を法人税等の支払額の増分で持ってかれてる。それと未払金の減少がかなり大きい。

【財政状態】

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★自己資本比率 54%
★借金なし。
★流動比率 183.3%
★ネットキャッシュが+13億円で対総資産比率が68.9%
★借金がないのが良い。減少したとはいえ、営業CFも黒字の健康経営。
★時価総額が108億円と意外と小粒である。
★1年と半年前くらいまで5,000円にタッチしたりしていた株価がかなり下がっている。2019年の10月頃?何でこんなに下げたのでしたっけ?

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★コロナ禍の2020/3で底を見てきて、少し持ち直して今、という感じ。割と保守的で大人な業績予想によって、直近は大きなブレはなし。
★今の株価については議論あろうかと思うが、堅実な業績予想と黒字の健康経営をしているグロース株だと思う。個人的にそこまで悪い印象ないなと。

【経営指標】

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★ROE,ROAについてはそれぞれ8%、4%の壁をクリアしていてここも意外と堅実である。
★グレアム指数がでかい。1,122倍。PBRは10.3倍という割高さ。まだそれなりに期待値は高いのである。
★ROICが15%超え。悪くない。
★EV / EBITDAが34.6倍。高い。EBITDAが2.7億円ぽっちの会社に100億円弱のバリュエーションはやはりちと過大であるか。
★FCFは黒字。マージンは5.1%とまあ黒字なので良しか。

【総括】

そもそもこの会社で5,000円つけていた時は明らかなバブルだった、という教訓かと思う。今の株価でも高すぎるくらいである。ただテック系の求人サービスとしてのUI/UXは悪くないと思う。問題は期待値が過大であるということだけ。
経営も堅実という印象。業績予想は保守的だし、PLでもしっかり利益。営業CFもちゃんと黒字。借金もなく、健康的な財務諸表である。
ただいかんせんサイズの問題。時価総額100億円。上場する意味、みたいなところはあろうかと思う。経営者の出口戦略というのなら、投資家が満足しているなら当事者の問題でしかないが。
ちょっとチャラチャラしている印象を持っていた(今も持っている)が、上記した通りの堅実経営で、少し見直した。
個人的には、リクルートという会社と当社のサービスが大嫌いなので、打倒巨人リクルートで頑張って欲しい会社のひとつである。
打倒リクルートを視野に入れた大きなスケールの事業展開を期待したい。

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