プライドが高すぎる人への処方箋
最近のテレビで、高学歴ニートと呼ばれている、有名大学を卒業した後に、就職をせずに家に引きこもっている人が先生役の人と、討論するという番組に出演しています。高学歴ニートの人は、受け答えがしっかりしていて、ほとんどの人が自分が働きたい職場が無いという主張をしています。
高学歴の人は、難しい試験を合格していて、論理的思考力が高く、継続的に努力する計画性も優れていてポテンシャルが高い人であると考えられます。
こういう人達が、何故すんなり就職が決まらないのかということを考えると、私はプライドが高すぎる状態だからというのが一つ考えられます。
彼らは、知的に優秀で、世間的にも将来は高いレベルの仕事に就くことを期待されています。しかし仕事で他人と競ったことが無く、他人と闘って負けたという経験をほとんどしていないと思われます。なので、客観的に仕事人としての総合力がどの程度なのかが良く分かっていない状態です。そうなるとどうしても周囲の人の評価が必要以上に気になってしまいます。
例えば、会社の面接を受けに行った時でも、会社の人から、「なんでこんな学歴の人がうちの会社を応募したのだろうか?」と思われるのをとても嫌がります。会社の面接をする立場の人にとっても、高学歴ニートの人達はとても魅力的に映りますが、会社の人は、自分達の会社での仕事をする気持ちがあるのかや、自分の会社の社員と上手く溶け込めるのかをとても重要視しますので、採用しにくい状態です。
こういう状態を改善するためには、自分の実力がさらけ出されるような環境に自ら足を運ぶ必要が有ります。仕事のスキルが求められるアルバイトに応募したり、対人的なスポーツに挑戦したりして、他人と真っ向に勝負を挑んで、負けるという経験を積んだほうがいいと思います。
自分が一生懸命取り組んで、挫折したり、負けることで、自分の問題点がはっきりとして、課題が見えてくるし、客観的な自分の状態を受け入れて、本当に自分に合う職業を探す積極性も出てくると思います。
日本の若者は、有名大学で学業を積んで、体育会系の部活で汗を流した人が、大企業に進むことが多いですが、大企業は、あまり高い才能を発揮できる仕事が多いとはいいがたく、世間的に体裁がいいということだけで選択としてはもったいないと思います。そういう人たちの地力に合った仕事は、起業家やスタートアップやベンチャーのほうだと私は思います。
日本でこういう仕事があまり評価されていないのは、今まであまり挑戦をした人がいないためだと考えられます。今の世の中の情勢として、起業家やスタートアップを目指している人は、世界の一部の地域に集中しているといわれています。例えば、タイのチェンマイやエストニアなどです。今の優秀な若者はこれらの仕事にもっと興味を持ってもらいたいと思います。