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リーダーに必要な「心理的柔軟性」

おはようございます。幼少期、体が柔らかいからケガしないと思っていたら筋肉の柔軟性が高いのではなく全関節が緩かっただけで、むしろそのせいでたくさんケガをしました。たむです。
前回までで心理的安全性を高める重要性などをまとめたので、今回はいよいよ心理的安全性を高めるためにリーダーに必要な素質がどういったものなのかというところに迫っていこうと思います。キーワードは「心理的柔軟性」です。
今回も石井遼介著 『心理的安全性のつくりかた 「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える』(日本能率協会マネジメントセンター) を参考にしています。

心理的安全性を測る4因子

まずは心理的安全性の高さを測る指標として
「①話しやすさ ②助け合い ③挑戦 ④新奇歓迎」の4因子があります。
これらの因子がチーム内にあることで心理的安全性を感じやすくなります。④新奇歓迎とは個性を尊重し、常識にとらわれない行動をして目立つことも歓迎するということです。この4つを高めるにはリーダーシップを発揮する人の振る舞いが重要になってきます。

心理的”柔軟”なリーダーシップ

リーダーシップとは自分のポジションにかかわらず「他者に影響を与える」能力のことです。上司やリーダーになると裁量権を持つために多大な他者への影響力を持ちますがそれはリーダーシップがあるからではなくあくまでポジションのおかげで影響力を持っている、虎の威を借る狐のような状態です。本当のリーダシップはたとえメンバーであっても真価を発揮します。

この影響の与え方のことをリーダーシップのスタイルといいますがこれには大きく4つの分け方があります。

トランザクショナル・リーダーシップ(取引):アメとムチ
トランスフォーメーショナル・リーダーシップ(変革):ビジョンと啓発
サーヴァント・リーダーシップ(奉仕・支援):メンバーの活躍を支援する
オーセンティック・リーダーシップ(自分らしい):弱さも見せられる

スタイルがいくつかあると最良の一つを探したくなりますが、これが最強というものはなく、4つすべてがベストプラクティスとなり得るものです。良いリーダーはこの4つを状況に応じてうまく使い分けています。

この4つを個々のメンバー・チームによって使い分け、しなやかにチームを変えていけるのが「心理的柔軟」なリーダーシップというものです。これをうまく使いこなせることで良いリーダーになることができます。
慶応義塾大学システムデザイン・マネジメント研究所の研究でもリーダーの心理的柔軟性が高いとチームの学習が促進されるという結果が出ています。

心ではなく「行動」にフォーカスする

心理的柔軟性についてもう少し踏み込んで考えてみましょう。
心理的柔軟性を考える1つのポイントとして「正論ではなく役に立つことを言う」ということが非常に大切になります。ここでの役に立つとは結果を予測できること目標に向かって影響を及ぼせることを重視します。未来に影響を及ぼすことができない声かけは全く役に立ちません。

例を用いて考えてみましょう。
あなたがリーダーで部下に「明日のプレゼン、自信ないです。」と言われた際なんと声をかけるでしょうか。「がんばれ、自信持っていけ、大丈夫だ」と言って、メンバーは自信をもってプレゼンに臨めるでしょうか。その声かけだけで実際に自信をもってプレゼンに臨むというのは難しいものがあると思います。これでは影響及ぼすことができず、メンバーにとって全く役に立ちません。

こういった時に自信という「心の中」ではなく「行動」にフォーカスして声をかけると他者にとって役に立ち、良い影響を与えます。自信というものは存在せず、いくつかの行動パターンに自信という「ラベル」を貼っているだけと捉えます。因果関係としては、自信がないからそれに応じた行動しかできないのではなく、そのような行動をしているから自信がないように見られるという関係になります。
つまり自信がないメンバーに自信を持ってプレゼンをさせるためには「自信をもっていけ」と声をかけるよりも「前を見て」とか「姿勢よく大きな声で」というようなアドバイスをしたほうが周りからは自信があるように見えて結果的にプレゼンが成功する確率は高くなる、ということです。優れたリーダーはモチベーターであるとよく言いますが、ただ気分を上げるための叱咤激励ではなく、現在の行動を役に立つ行動へと改善させメンバーのやる気を維持できる人が真のモチベーターになることができます。

ただこの役に立つ行動というのも状況や個人によって異なります。状況を見極めて、とっている行動をより役に立つ方向に切り替える、切り替えさせられるしなやかさが「心理的柔軟性」です。これを高めることが良いリーダーに近づく第一条件になります。

あとがき

僕は「自信もっていけ」とか「大丈夫だよ」とか軽々しくいってしまうタイプなので「心ではなく行動にフォーカスする」と聞いてハッとしました。普段から行動に目を向けて生活をしていこうと思います。次回は具体的な実践方法を述べていく予定です。

読んでいただきありがとうございました。ではまた!


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